追求したのは「リアル性能」現場で使える軽商用EV 三菱ミニキャブEV
公開 : 2024.04.10 11:00
昨年暮れに登場した三菱ミニキャブEVを、自動車ジャーナリストの鈴木ケンイチが解説します。
もくじ
ー 12年にわたって市場のニーズに応えるロングセラー
ー 街乗りから高速道路まで 幅広いステージで十分な実用性
ー 商用軽バンとBEVとの相性の絶妙さ
12年にわたって市場のニーズに応えるロングセラー
昨年の暮れ、2023年12月に三菱自動車から商用軽BEVの「ミニキャブEV」が登場した。
名前こそ、新しいものだが、その中身は2011年11月より12年にわたって販売されてきた商用軽EV「ミニキャブ・ミーブ」の大幅改良版だ。
また、そもそも「ミニキャブ・ミーブ」は、量産EVの先駆けとして2009年に発売された軽EVの「アイ・ミーブ」の技術を流用することで生まれている。
つまり、最新の「ミニキャブEV」は、2009年に発売された「アイ・ミーブ」の技術を受け継ぐモデルと言える。
その特徴は、「商用軽バン」でありながら「EV」でもあるということ。実のところ、このコンセプトを体現するモデルは存在しなかった。そのため「ミニキャブ・ミーブ」は、12年以上にわたって商用軽EVというニーズに応える唯一の存在であったのだ。
今回の大幅改良により、「ミニキャブEV」は電動系コンポーネントを一新した。モーターとインバーターは一体化構造となり、バッテリー容量は16kWhから20kWhに増大。効率アップもあわせて、一充電あたりの航続距離を約35%アップの180km(WLTCモード)にまで延長している。
また、衝突被害軽減自動ブレーキをはじめとする予防安全技術「三菱e-Assist」も採用され、一気にモダン化されている。価格は2シーターで243万1000円、4シーターで248万6000円となる。国の令和5年度補正予算による「CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)」の対象車のため、新車購入時の補助55万円(※令和6年4月1日以降の登録の場合)を見込めば、実質200万円を切る価格で購入可能だ。