eKクロスEVがもつ真の価値とは? 新車企画のキーマンに聞く三菱の「EVの軽」へのこだわり

公開 : 2024.04.23 11:00

進化した使い勝手、先進運転支援機能

個人的に「eKクロスEV」で感心したのは、荷室がエンジン車とEVで、遜色ないレベルという部分だ。バッテリーを上手に、床下に収納しているのだ。そのため日常の使い勝手という点は、エンジン車とEVでは同等になる。

また、今どきのクルマとして先進運転支援システムが充実しているのも美点だ。FCM(衝突被害軽減ブレーキ)をはじめとした安全機能だけでなく、高速道路で自動運転レベル2相当のアシストを行う「マイパイロット(MI-PILOT)」や、駐車支援の「マイパイロットパーキング(MI-PILOT PARKING)」などが備わっている。デジタルルームミラーや、クルマの周囲を確認できるマルチアラウンドモニターも嬉しい装備だ。

価格はスタンダードの「Gグレード」が2,546,500円で、上位グレード「P」が3,081,100円。エンジン車と比べると割高になるが、「eKクロスEV」は55万円の国からの補助金も利用できる。住んでいる街によっては、追加の補助金があることもある。そうとなれば、逆にエンジン車よりも割安になる場合もある。2009年の最初のEVである「アイ・ミーブ」が4,380,000円(税抜き)であったことを考えると、バッテリー容量アップによる航続距離の拡大や安全装備の充実なども踏まえて、15年ほどでEVも随分と安くなったものだ。

軽自動車のレベルを超えた走りの良さと、日常の使い勝手の良さ、そして最新の運転支援システムを備えるのが「eKクロスEV」だ。

自宅に駐車場を持っているのであれば、選択肢に入れるべき1台と言えるだろう。

三菱eKクロスEV 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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