緩急自在のハイブリッド・オープンエア アルトゥーラ スパイダーを今井優杏が試す

公開 : 2024.07.12 17:00

性能向上にも確かなボディ/シャシー性能

アルトゥーラシリーズで見逃せないのが、このスパイダーの導入でクーペも同時に引き上げられた700ps/720Nmという出力だろう。

V6 ツインターボエンジンに7.4kWhバッテリーを組み合わせたプラグインハイブリッド・パワーユニットが叩き出す、この数字の羅列だけでもうっとりしてしまうくらいのスペックだ。

それを受け止めてなお確かなボディのフラットさ、そして入力に対する“なんでもなさ”、つまり“いなしの巧さ”には唸るしかない。

剛性の凄まじさからの恩恵に加え、常にカメラなどで路面をセンサリングしながら瞬時にダンピングをコントロールする、プロアクティブ・ダンピング・コントロールシステムが挙動のしなやかさに拍車をかける。

大前提として、マクラーレンは他社にも供給するほどの規模であるカーボン工場を擁しており、むろんF1にも使用されるそのファクトリーから供給されるモノコックは「MCLA(マクラーレン・カーボン・ライトウエイト・アーキテクチャー)と呼ばれている。

アルトゥーラももちろんこのモノコックを採用しているから、クーペとスパイダーで剛性が殆ど変わらない。また、アルトゥーラ スパイダーではカーボン素材自体を見直していて、10%もの軽量化に成功している。

そして、マクラーレンといえば、これも特徴的なのは跳ね上げ式のディヘドラルドアだが、ここにもアイコニックであることだけではない秘密があった。

今回、Bピラーとドアヒンジの部品を焼付の一体成型とすることで、剛性と軽量化を叶えるなどの変更もなされたのだ。これにより、クーペとの重量差はわずか62kgにまで抑えられた。そしてその重量の大半はそう、オープン/クローズの機構に費やされている。

しかし、このスパイダーの華やかさを前に、62kgを憂う人はいないだろう。むしろこれから話すエピソードを読んでいただけたら、きっとクーペ派だってスパイダーを試したくなること間違いなしだ。

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記事に関わった人々

  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

マクラーレン アルトゥーラ スパイダーのパフォーマンスとはの前後関係

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