マセラティが生んだ「至宝」ネットゥーノを宿す1台 グラントゥーリズモ モデナ/トロフェオ

公開 : 2024.07.22 15:00

最新テクノロジーによるエンジンの進化を実感

ボディサイズは全長4965×全幅1955×全高1410mm。BEVはバッテリーをフロアに敷き詰めるため全高が高くなりがちだが、スペース効率の高い設計で低く抑えられている。

エンジン最高出力:490ps(550ps)/6500rpm、エンジン最大トルク:600Nm(650Nm)/2500rpm

現在の技術ではバッテリーは重くなりがちで、万が一の衝突に備えて保護性能も求められる。それゆえ軽量・高剛性構造は必須。

現行型グラントゥーリズモはボディ骨格の65%をアルミニウムとして、先代に比べるとホワイトボディでは約100kgもの軽量化を果たしている。ICE-Vにとっては先代を大幅に上回る軽量・高剛性となったのだ。

新たなチャレンジによってシャシーのポテンシャルが大いに高められたのだからユーザーにとっても喜ばしいことだろう。

そして至宝とも言えるのがフロントミッドに搭載されるV6 3.0Lネットゥーノエンジンである。F1やWECなどレーシングエンジンで用いられるプレチャンバー燃焼技術を市販車としては世界初採用。

小さなプレチャンバー(副室)で混合気に点火し、それをメインのシリンダー(主室)内にジェット噴射して急速燃焼を促す。それゆえピストンの上死点に近いところでの燃焼開始が可能となるため、燃焼効率が高まるとともに、耐ノック性もあがるという理想的な技術なのだ。

0-100km/h加速:3.9秒(3.5秒) 最高速度:302km/h(320km/h)

さらにネットゥーノエンジンはツインスパークを備え、プレチャンバー燃焼と従来の燃焼を組み合わせることで、負荷や回転数に合わせて最適なパフォーマンスを発揮。あらゆる場面で効率が良く、それがシームレスに提供されるのでドライバビリティも抜群にいい。

アクセルを踏み込んでみれば、圧倒的なパフォーマンスと鋭いレスポンスがありながら柔軟性にも長けているのがわかるだろう。最先端テクノロジーによってエンジンはまだまだ進化することが実感できるはずだ。

グラントゥーリズモ モデナはコンフォート、GT、スポーツの3モードを搭載(トロフェオはコルサを加えた4モード)
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本記事でご紹介した、V6ツインターボ「ネットゥーノ」エンジンを搭載するグレカーレ トロフェオ、グラントゥーリズモに試乗できるチャンス。

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記事に関わった人々

  • 執筆

    石井昌道

    Masamichi Ishii

    1967年生まれ。自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。ワンメイク・レースへの参戦も豊富で、ドライビング・テクニックとともにクルマの楽しさを学んできた。国産車・輸入車のいずれの知識も幅広く、ジャンルを問わない執筆活動を行う。最近では、エコドライブの研究、それを一般ドライバーへ広く普及させる活動に力を入れている。

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