人生を豊かに彩るイタリアンMPV フィアット・ドブロ

公開 : 2024.08.22 11:30

移動手段であり目的地(?)にもなる個性。

フィアット・ドブロの多彩なシートアレンジメントに着目すれば、2列目シートを折りたたんで荷物を満載したり、友だち5人でショートトリップに出掛けたりといった様々なシーンが想像できるだろう。今回我々は、比較的若いファミリーの視点でドブロと接してみることにした。

まだ子どもが小さいので目的が定まっているわけではない。でもこれから週末の可能性が無限に広がっていくであろう家族像。そんなファミリーにうってつけなのは、ラゲッジスペースに日常+αの道具を詰め込んで景色の良い場所に出かけてみることだろう。ドブロをウィークエンドハウスに見立ててのんびりと過ごしてみるのだ。

リアゲートを開け放ち、荷物を積んでいても余裕があるラゲッジスペースに腰掛けたときの雰囲気の良さは、あまり知られていないドブロの特徴かもしれない。荷物を運ぶ移動手段としてはもちろんだが、それ自体が素敵な目的地となって家族の時間を演出してくれる。ドブロはそんな拡張性をも秘めたキャラクターの持ち主だったのである。

一方、両側がスライド式になっているリアドアもストレスフリーな使い勝手につながっていた。チャイルドシートを脱着したり、少し時間をかけて荷物を出し入れするようなシーンでは、開けた状態をキープしやすく開口部が広いスライドドアがやはり便利。ミニバンというよりMPVと呼びたくなるマルチな能力こそ、使い手を笑顔にさせるドブロというクルマの正体だったのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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