【マクラーレンGTS】飯田裕子が『旅するマクラーレン』で秋の甲州路を堪能

公開 : 2024.10.03 14:30

進化した造形美と快適性

全長×全幅×全高は4683×2045×1213mm。車両重量1520kgと軽量。パワートレインはV型8気筒3994cc ツイン・ターボチャージャー搭載。
協力:山梨県立美術館

2シーターのGTSのキャビンは、マクラーレン特有の視界の良さに加え、ガラスルーフ越しに柔らかな光が差し込み、タイトさと開放感が絶妙な空間をつくり出す。そこは、おそらく傍からから見るよりもずっと居心地がいい。

このレザーの色味がマクラーレンの真骨頂。フロントはもちろん、テールゲートがガラス張りのためリアの視界もいい。

インテリアの造形は派手ではないが、スマートで美しい。さらに望むなら、ドライブのお供であるドリンクや小物を収納するスペースがもう少しあったら快適なこと、それとアルトゥーラで進んだデジタルデバイスが採用されればよかったな、という点だろうか。

試乗車のようにフロントインテークのエアブレードをグロス・カーボンに変更することもできる。最高出力:635ps/7500rpm、最大トルク:64.2kg-m/5500-6500rpm。

ワイド&ローで引き締まったフォルムはアグレッシブな力強さのなかに端正な美しさが感じられ、どこに停めても映える。GTSは『ハンマーヘッド』のフロントバンパーやエアインテークを変更。GTのときのシャープな印象から、力強さが強調されたマスクへと表情を変えている。

リアビューでは肩の辺りにエアスクープを新たに採用。後ろ向き駐車の際には当たらぬようにとドキドキしそうな大型リアディフューザーや、デュアルエグゾーストの迫力もGTSの性能の表れだ。

ディティールひとつひとつから感じる卓越したデザインセンス。特に上方に跳ね上がるディヘドラルドアには、どうしたって気持ちが高揚する。

GTカーらしく実用を高めるラゲッジも特筆したい。フロントには機内持ち込みサイズのキャリーケース+αが収まるのに加え、2シーター+エンジンをミッドに搭載するモデルながらエンジンの搭載位置を低め、リアにも収納スペースが設けられている。

迷った『もう一着』を旅先に持っていけるラゲッジスペースのゆとりが嬉しい。深さがあるので、帰り道のお土産も躊躇なく購入。

記事に関わった人々

  • 執筆

    飯田裕子

    Yuko Iida

    免許を取るまではクルマにまったく興味がなかった女子だったが、山に囲まれた実家の近くは折しも峠ブーム。ドライビングやスポーツカーへの興味を抱くようになる。自動車メーカーでOLをしながら弟(飯田章)とレース活動をスタート。退職後「クルマ×人(中心)×生活」をテーマとするジャーナリストに。現在の愛車はポルシェボクスター(981)
  • 撮影

    尾形和美

    Kazumi Ogata

    1961年生まれ。中央大学仏文学科を中退後、本格的に写真を学ぶ。1987年からフリーランス。すべて命あるものの、輝く一瞬を捉え、写真で「シアワセ」を表現することを目指す。主な被写体は、人物、クルマ、建築、料理。公益社団法人日本写真家協会会員。

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