【日常に変化をもたらす一台】アルファ・ロメオ・ジュリアにトリブート・イタリアーノという新たな選択肢

公開 : 2024.10.17 11:00

運転席の横顔から伝わる、満足感

2台で連なって箱根までドライブ。そこでヴェローチェの助手席へと滑り込んだ。しばらく様子を見ていると、彼の運転は生真面目で、ベテランドライバーらしくスムースではあるけれどメリハリに欠けるように思えた。

ボディサイズは、全長4690mm、全幅1905mm、全高1680mm。

「もうちょっとエンジンを楽しんでみたらどうだい?」
周囲の安全を見つつ、パドルでギアを一段シフトダウンしてもらった。すると、280psもの最高出力を誇る、2L直列4気筒ツインスクロールターボのパワートレインが心地よく唸りだす。嬉しそうな彼の横顔に満足する。

箱根のワインディングロードに入ってから、彼はドライバー交代を望んだ。ジュリアの実力を知っておきたいらしい。

ミザーノ ブルーのジュリア・ヴェローチェ。

後輪駆動のジュリアが水を得た魚のようにワインディングを駆け上がる。両手の動きと右足の加減に応じてビタッと行き先を決める、ジュリアのノーズの動きを走りながら説明した。ドライバーの意思に忠実という表現はこういうクルマのためにある。足回りはしなやかに動き、姿勢の変化も適切で、加速フィールは申し分ない。助手席でも体感できたのだろう。良いクルマを手に入れたという満足感が彼の表情からも伺えた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    西川淳

    Jun Nishikawa

    1965年生まれ。京都府在住の自動車ライター。スーパーカーなどの高額車、スポーツカー、クラシックカーといった“趣味のクルマ”が得意。精密機械工学部出身で、産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想としており、中古車事情にも通じる。「永遠のスーパーカー少年」として知られている。
  • 撮影

    田中秀宣

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。

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