いくつも見つかる『気の利いた差別化』

続いてトリブート・イタリアーノに乗り換え、彼を助手席に乗せる。

まずはDNAダイヤルをNにして走り出した。手に残った感触と数10mのドライブフィールから、ヴェローチェと同様に正当なスポーツサルーンであることが伝わってくる。

クルマに乗り慣れた人がジュリアの走りの素性やバランスの良さを体感したいと思えば、大きな交差点をひとつふたつも曲がって一度アクセルを踏み込めば十分だろう。しなやかなアシの動きは今どき貴重で、太めのサウンドも頼もしい。もちろん絶対的な性能は十分だ。

DNAをDにチェンジ。クルマ全体に力がみなぎって獰猛になった印象だ。アシの動きが俄然、ダイレクトにドライバーへと伝わってくる。比較的路面状態の良いワインディングロードではそれでちょうど良いかもしれないが、街中ではやはり入力が強い。峠を下り、街中でダンパーマークを押してみればスッと力みが失せた。パワートレインやステアリングのフィールはスポーティなままだから、都会の街中でも楽しめる。

街乗り中心というユーザーであれば、ヴェローチェのサスセッティングで完成形だし、何の文句もない。一方、ソフトからハードまで幅広く楽しめるアクティブ・サスペンション付きであるトリブート・イタリアーノは、走りをもっと積極的に楽しみたいという向きにオススメだ。

この試乗は、助手席の友人を悩ませてしまったようだ。彼は街乗り中心らしいけれど、峠道でのジュリアの魅力を知ってしまった今、トリブート・イタリアーノにも大いに興味を持ったようである。

いずれにしても、彼の方からまた連絡がくることを待とうと思っている。

ALFA ROMEO　ITALIAN PHILOSOPHY開催！

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