ジープ・ラングラー・アンリミテッド・スポーツ「これでいい」じゃなくて「これがいい!」
公開 : 2024.11.29 18:10
ジープ・ラングラーに硬派なエントリーグレードのスポーツが復活。本物志向の吉田拓生がリポートします。
もくじ
実は難しい、ラングラーの廉価版作り
もうすぐ年の瀬ということで今年を振り返ると「モノの価格が上がった」という話は避けて通れないだろう。それはクルマの世界も同じことで、輸入車の場合は為替の関係もあって感覚的には以前より2割ぐらい高くなってしまっているのだ。
今回試乗するジープ・ラングラー・アンリミテッド・スポーツはまさに価格高騰の今という時代に向けた1台で、それは799万円という車両価格にも表れている。今年5月に改良モデルとして登場した新型のラングラーで唯一800万円を切るモデルなのだ。以前もスポーツというエントリーグレードがあり、今回それが復活を果たしたかたちになる。
エントリー=お買い得、とはいえもともとラングラーはジープ最強のオフローダーの血統を今に伝えるコアモデルであり、お飾りのような装備がほとんど見当たらない。それをお買い得にする作業はつまり「レーシングカーをあと1kg軽くしろ!」と言っているようなもの。レーシングカーならカーボン置換で軽くしました、みたいなかえってコスト高になってしまうような案件であり、今回の『スポーツ』作りの難しさは容易に想像がつく。
現在のラングラーのカタログモデルは4種類。スポーツからミドルグレードのサハラ、最強のルビコン、そしてハイブリッドの4xeである。とはいえこの4モデルのパワーユニットはすべて直4ターボになっており、スポーツ(799万円)とサハラ(839万円)の価格差も実は40万円ほど。「だったらサハラにしておくよ」という人だっているはずだ。
つまり今回のテーマは「敢えてスポーツください!」となる理由を探すことにあるのではないだろうか。