ジープ・ラングラー・アンリミテッド・スポーツ「これでいい」じゃなくて「これがいい!」

公開 : 2024.11.29 18:10

まるでデザイナーズチョイスの黒

実際に目の当たりにしたラングラー・スポーツは『ブラック』の塗色で、光モノが極力排されており、お洒落なオーナーが吟味したような、もしくは『デザイナーズチョイス』の如くといったまとまり感が印象的だった。

サハラとの見た目の違いは、ラングラーのウェブサイトを見るとよくわかる。スポーツとサハラの車名をクリックすると写真が切り替わって『光モノ』の違いが一目瞭然。そしてここではたと思った。「スポーツの方がよくない?」。個人の好みというより『今風』なのだ。

ヘッドライトリムやジープ伝統の7スロットグリルの中の縁取りは黒いまま。また4枚の大きなフェンダーやハードトップも成形色(つまり黒系)のまま。これはお洒落系オーナーにもウケるし、一方で筆者のようなラングラーをタフなアウトドアギアとして捉えている層にも支持されるはずだ。

18インチのオンロード系(オールシーズン)を履くサハラに対し、17インチのオフロード風(オールテレイン)というタイヤのチョイスも、リーズナブルというより差別化が効いているという感じがする。運転席に乗り込んでみると、全面がさっぱりとしたファブリックで覆われたシートも気に入った。

今回は『スポーツ』で走り出す前からすっかり、「これでいい」じゃなくて「これがいい!」という気分になっていた。要は乗り手がラングラーに対して何を求めているか? ということなのだけれど、その受け皿となる選択肢が増えたことは歓迎すべきだろう。

例えばサハラより40万円お得になったことで、じっくりとオプションを選んでより自分にあった1台を完成させるのもアリでは? などと想像するだけで楽しめるに違いない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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