4コントロールは、まさに四輪操舵を極めた感

「後輪駆動ならアクセルワークでリアを滑らせることもできますが、メガーヌのようなFFでは、サイドブレーキターンのような方法以外、旋回軸をフロントに寄せることはできません。その意味でも、FFでこそ四輪操舵の4コントロールは理にかなっています。ただ、現実のFFは安価な実用車が多いので、四輪操舵を備えたFFは世界的にも珍しい。それだけでもメガーヌR.S.には価値があるんです。

四輪操舵自体は昔からありますが、こうした細かい理想を満たすものはありませんでした。しかし、速度やモードによって後輪操舵の制御を変えるメガーヌR.S.の4コントロールは、まさに四輪操舵を極めた感がありますね。

クルマを理屈どおりに動かすには、徹底した走り込みによる開発は欠かせません。高速から低速まで違和感のないメガーヌR.S.は、サーキットだけでなく、高速道路から市街地、さらにはそれこそ車庫入れまで何回も走り込んだんじゃないかなと思います」

そんな理論と実践の両面を駆使して仕上げられたメガーヌR.Sのマルチなパフォーマンスの味わいを、山野選手は最後に「美しい」と形容した。さすがは日本でも屈指の理論派ドライバーとして知られる山野選手らしい表現だ。

メガーヌR.S.の走りは美しい。

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画像　メガーヌR.S.の美しい走行シーン　画像はこちら　全34枚