【古き佳き伝統とゆったりした安心感】ジープ・グランドチェロキーの魅力とは?

公開 : 2024.12.09 15:00

走りはいずれも余裕タップリ

グランドチェロキーLのV6エンジンは、スムーズでパワフル。いまや電気デバイスのない自然吸気の大排気量エンジンは希少になりつつあるが、そのフィールはどこかホッとさせてくれるものがある。低速域からトルクフルで、全長5.2m、車両重量は2.2トンを超える体躯を過不足なく走らせる。

ターボ付きとはいえ2Lの直4では、標準ホイールベースのグランドチェロキーでも物足りないのでは……と思われるかもしれないが、実際に乗ってみるとパワーは十分で、またターボラグがほとんどないため、知らずに乗ってしまうとV6と錯覚してしまうほどだ。

これにモーターを組み合わせたPHEVは、さらに余裕を感じさせてくれる。どちらかといえばエンジン主体のセッティングのようだが、エレクトリックモードでは静かに走り、またエンジンとモーターの使い分けは非常に滑らかだ。EV航続距離は約53kmだから、うまくマネージメントすれば市街地は排出ガスを出さないモーターで、郊外はエンジンで、といった使い方もできる。

もちろんいずれも、クォドラリフト・エアサスペンションやセレクテレイン・システムなどによって、市街地走行からハイウェイクルージング、そしてラフロードでも十分以上のパフォーマンスを発揮する。

また、グランドチェロキーの魅力には、フラッグシップらしいが懐かしさも感じさせる佇まいや、インテリアの高級感も上げられる。しかもそれは欧州車とは違った、温かみを感じさせてくれるものだ。まるで暖炉のある豪華なコテージのような、古き佳き伝統も感じさせる、ゆったりとした安心感が、グランドチェロキーならではのラグジュアリーな世界なのだろう。

しかも、ライバルと目されるドイツやイギリスのラグジュアリーSUVよりはコストパフォーマンスは高い。前述のように、ボディタイプやパワートレインの選択肢は幅広く、3列シートのグランドチェロキーLなら、LLクラスの国産ミニバンからのステップアッパーにも最適だ。

アメリカンテイストたっぷりのジープ・グランドチェロキー。気になる人は、まずは試乗してもらいたい。豊富な選択肢の中から、自分のライフスタイルにもマッチする、最適な1台がきっと見つかるであろう。

ジープ・グランドチェロキー 公式サイトを見る

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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