【ハンドリングに新しい思想を見た!】新型フォルクスワーゲン・ティグアンがさらなるプレミア感で登場

公開 : 2024.12.20 11:45

ていねいに作り込まれたクルマ

実際に走らせてみれば、新型ティグアンのクオリティ感が高まった印象はさらに強まることだろう。

まずはエンジン音とロードノイズが一段と抑えられ、キャビンの静粛性が大幅に改善されたことに驚くはず。それだけで、ていねいに作り込まれたクルマに乗っていることを実感できるに違いない。

マイルドハイブリッドと1.5リッターのガソリンターボエンジンを組み合わせたパワートレインは、48Vシステムで駆動されるパワフルなモーターが発進時などに威力を発揮。グイッと背中を押されるような力強さを生み出すとともに、モーターならではの滑らかな加速感も実現していて心地いい。

しかも、そこからエンジンが主役となる高速域までパワー感がシームレスに繋がっていく点も嬉しいところ。結果として、排気量が1.5リッターしかないことが信じられないくらい、全速度域で余裕ある動力性能を発揮してくれる。

一方、乗り心地がしなやかで快適なことはこれまでのフォルクスワーゲンと変わりないが、足まわりの方向性はいくぶん変化している。

従来のフォルクスワーゲンといえば、とにかくクルマの動きがどっしりとした印象で、その安定感溢れる走りが強い安心感に結び着いていたが、それゆえにハンドリングの軽快さではやや物足りない部分があったのも事実。

しかし、新型ティグアンは落ち着いた印象を大きく変えることなく、ステアリング操作により素早く忠実に反応するキャラクターを手に入れることで、より少ない操舵量で軽快に反応するハンドリングを実現したのである。そうしたレスポンスのよさを神経質さとは無縁のまま生み出している点にこそ、フォルクスワーゲンの新しい思想が表現されているだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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