【オールラウンダーを超越!】三菱デリカD:5シャモニーコンプリートパッケージは熟成された安心感

公開 : 2025.01.01 12:00

ドライバーとクルマの対話がしやすい

久しぶりに走らせたデリカD:5は、ディーゼルエンジンのトルクの太さによる快活な加速が気持ちいい。

ATは8速と多段であることをいかして1速はローギアードな設定だから、発進は力強くてすぐに2速にアップし、やや引っ張り気味で3速へ。その後もポンポンとリズミカルにシフトアップして高めのギアで巡航に移っていく。一般的な走行で常用する2000rpm前後のトルクが充実していて、ギア比も適切。ディーゼルエンジンは大きく重いボディと相性がいいが、ミニバンにとってもベストマッチだと思える。音・振動もよく抑えられていて上質なフィーリングだ。

嬉しいのはステアリングに備えられたパドルシフト。スポーツカーではないから必要ないと思われるかもしれないが、巡航走行中に前走車に追いついていったときや長い下り坂などでエンジンブレーキをかけたいときには実に有効で、ステアリングから手を離さず指の動きで素早くシフトダウンできることで、ドライビングに一体感が生まれる。アウトランダーPHEVでも回生ブレーキの強度をパドルシフトでコントロールできるようになっているが、三菱はどのモデルでも、ドライバーがクルマと対話しやすくなっているのだ。

シャシー性能も、オールラウンダーというイメージから想像する以上に上質だと言える。凹凸が多い路面でもいやな突き上げ感などはなく、しなやかにいなしてくれる。サスペンションはフリクションが少なくスムーズに動き、ストローク感がたっぷりとある。それでいて背の高いクルマ特有のフラつき感が抑えられたフラットライドで安心感が高い。デュアルピニオン式のパワーステアリングが採用されているので、操舵は軽めながらしっかりとしたインフォメーションがあって扱いやすい。

改めて認識したのは、デリカD:5はオールラウンダーというだけではなくオンロードで快適で安心感がある走りの持ち合わせているということだ。モデルサイクルが長いモデルだからこそ、改良を重ねて熟成された良さがある。これなら遠方でアウトドアを堪能するためのロングドライブや日々のカーライフでの満足度も高いだろう。

三菱デリカD:5 公式サイトを見る

記事に関わった人々

  • 執筆

    石井昌道

    Masamichi Ishii

    1967年生まれ。自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。ワンメイク・レースへの参戦も豊富で、ドライビング・テクニックとともにクルマの楽しさを学んできた。国産車・輸入車のいずれの知識も幅広く、ジャンルを問わない執筆活動を行う。最近では、エコドライブの研究、それを一般ドライバーへ広く普及させる活動に力を入れている。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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