まだ見ぬ景色を見るために 本気で使えるSUVがここにある ジープ・コマンダー

公開 : 2025.01.30 11:05

すぐれた基本性能、使えるサイズ感

コマンダーを理解するには、少し遠くまでドライブしてみる必要があるだろう。高速道路と一般道はもちろん、ワインディングや砂利道といったカバレッジの広さこそがジープのアドバンテージなのだから。

今回の試乗車にミシュランのスタッドレスタイヤが装着されていたことが、我々の気持ちを後押ししてくれた。雪山を目指してみよう!

ジープ・コマンダー・リミテッドに乗り込み最初に感じたのは、革シートの上質さと精緻な印象のダッシュパネルによるプレミアムな雰囲気だった。またタッチパネルと物理スイッチの使い分けもわかりやすく、直感的に扱うことができた。ナビの目的地を霧ヶ峰高原に定め、ショートリップははじまった。

シートの座り心地も、視界の広さも良好で、少し狭い道でも最初から全くストレスに感じない。以前からずっと乗ってきた相棒のような印象があるのは、使い勝手にクセがなく、またサイズを自然と把握できているからだろう。

2Lのターボディーゼルエンジンは加速の瞬間にちょっとしたディーゼル・ノックが聞こえるが、すぐに9速ATのきめ細やかなギア捌きによってノイズが消え、グンッという力強い加速に変わる。今回のような4人乗車であれば、パワフル過ぎるくらいだ。

エンジン回転は低めで、ハンドリングは極めて穏やか。そんなコマンダーは乗り手をリラックスさせてくれる長距離ドライブ向きの性格なのである。高速道路でACCとレーンキープアシストを作動させると、気持ちに余裕ができ、車内の会話にいっそう花が咲く。

都内を出て少し混みあった東名から圏央道をストレスなくやり過ごすと、遠くに白銀の峰が見えてきたのだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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