マツダCX-3

公開 : 2015.02.28 22:47

パワートレイン

世界戦略車であるCX-3は、『市場のニーズに合わせて最適なパワートレインを組み合わせる』という方針のもと、仕向地ごとに異なるエンジンを搭載する。北米では1.5ℓクリーン・ディーゼルの「SKYACTIV-D 1.5」と、2.0ℓガソリンの「SKYACTIV-G 2.0」が搭載されるが、日本仕様はディーゼル・ユニットSKYACTIV-D 1.5のみという思い切った設定。駆動方式はFFおよび4WDがラインナップされ、トランスミッションは全グレードに6速ATのほか6速MTも用意される。

SKYACTIV-D 1.5は基本的にデミオに搭載されるものと同じ。アイドリング・ストップ機構の「i-stop」とエネルギー回生システム「i-ELOOP」が組みあわされ、2WD・FFモデルでは25km/Lという優れた燃費を誇る。

2〜2.5ℓのガソリン・エンジンに匹敵する大トルクを誇るSKYACTIV-D 1.5は、アテンザやCX-5に搭載されるSKYACTIV-D 2.2と基本的なコンセプトは共通。そのうえで14.8という圧縮比やソレノイド・タイプの高分散噴射インジェクターや段付形状のエッグシェイプ・ピストンなど、小排気量のディーゼル・ユニット用に進化したいくつかの新技術が投入されている。

そしてディーゼル・ユニットの宿命ともいうべき静粛性への対策として、SKYACTIV-D 1.5では世界初の「ナチュラル・サウンド・スムーザー」を新開発、装着している。これはピストンピン内部にダンパーを組み込むことで「燃焼によるピストン系のノック振動」を打ち消し、ノック音のエネルギーを効果的に吸収・減衰するというもの。発進時やゆっくると加速するときなどに生じやすいディーゼルのノック音を抑制するとともに、エンジン音質の向上を実現している。

エンジン・スペックは駆動方式やトランスミッションに関わらず、全グレードとも同じ。最高出力105ps/4000rpm、最大トルクは27.5kg-mを1600〜2500rpmのあいだで発生する。燃料タンク容量はFF車が48ℓ、4WD車は44ℓとなる。

また、駆動方式ではCX-5から導入された新世代AWDシステムを採用し、センサー信号によってドライバーの意図と変化し続ける走行状況を正確に検知して制御を行う世界初の技術「前輪スリップ予兆検知システム」を導入すると発表している。このほか、デミオに搭載した新開発の小型・軽量の「パワーテイクオフ」「リア・ディファレンシャル・ユニット」も採用する。

シャシー

衝突安全性、軽量化、そして高剛性という3つの相反する要素を高次元で両立させるSKYACTIV-BODYを採用。CX-3では、基本骨格を可能な限り直線で構成するストレート化、各部の骨格を協調して機能させる連続フレームワーク、効果的な高張力鋼板などを採用。クラスを超えた高いボディ剛性を与えつつ、軽量か骨格に仕上げることに成功している。

その象徴ともいえるのが、Bピラーの根元に配置されたクロスメンバーだ。従来のSKYACTIV-BODYではボディ中央部に2本設定していたクロスメンバーを1本に統合し、新たにBピラー下に設定。これによりフレームワークをシンプル化しつつ、側面衝突時のBピラーからの衝撃入力をしっかりと受け止められる、効率的な構造を実現している。

サスペンションはフロントがマクファーソン・ストラット式で、リアはトーション・ビーム式を採用。フロント・サスはキャスター・トレールを30mmに、キャスター・アングルを5.0度に設定し、しっかりとしたステアリングの手応えと、リニアな車両の応答性を実現。街中やワインディング・ロードでは小気味よく軽快な走りと、高速走行での優れた直進安定性を両立している。

いっぽうリア・サスペンションでは、トーション・ビームの取り付け位置を高めに設定。路面からの入力による車体の振動を減少させるとともに、高速での直進安定性を向上させ、快適な乗り心地と乗員に安心感を与えるフィーリングを実現したという。

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