ホンダ・シャトル

公開 : 2015.05.15 23:40

ホンダのベストセラー・コンパクトカーであるフィットのシャシーを流用し、ラゲッジルームを拡大したワゴンモデルとして登場した “フィット・シャトル”。そのコンセプトを受け継いだ新型コンパクトワゴン、”シャトル” が登場した。

現行フィットの登場に遅れること約1年半、2015年5月15日より発売が開始されたコンパクトワゴンの “シャトル”。製品としての生い立ちを辿れば、過去のエアウェイブ〜フィット・シャトルに連なる系譜であることは明らかだが、今回はあえて “シャトル” という新規のネーミングとともに登場するなど、モデル開発にかける意気込みが感じられる。

これまでホンダは、シャトルというサブネームのついたクルマを2度、世に送り出してきた。’83年に登場したシビック・シャトルと、’11年に登場したフィット・シャトルである。フルモデルチェンジを受けて登場した今回はフィットの冠を外し、車名をシンプルに「シャトル」とした理由はいくつか推測されるが、内外装のデザインや装備を見るかぎり、先代フィットし・シャトルに比べて大幅に質感を向上させた印象を受ける。

ベストセラー・コンパクトのDNAを受け継ぎつつ、5ナンバーのボディサイズならではの優れた取り回しと、優れた燃費性能、そしてクラスを越えた高い質感を組み合わせたモデル。そんな新型シャトルの中身を見て行こう。

エクステリア

フィットをベースとしたワゴン・ボディという基本的な生い立ちは、先代モデルにあたるフィット・シャトルから変わらない。新型シャトルでも前後のドアはフィットと共有しており、特徴的なプレスラインもフィットと同様だ。

ボディ・サイズは全長4400×全幅1695×全高1545mm(FFモデル)で、フィット・ハイブリッドの全長3955×全幅1695×全高1525mmと比較して全長で445mm長く、全高で20mmのサイズアップとなる。一般的な立体駐車場のルーフ高は1550mmが限界値だから、FFモデルではギリギリの寸法となるが、4WDモデルでは全高が1570mmとなるため、場所によっては立体駐車場の利用に制限がでるところもありそうだ。

フロントマスクは現行のホンダ車に共通する “ソリッドウイングフェイス” だが、4ドア・セダンのグレイス同様、シルバーのグリルと斜めにつり上がったヘッドライトを組み合わせたもの。上位グレードのハイブリッドXにはLEDヘッドライトが標準装備される。ハイ&ローともにLEDを採用し、光源をリフレクターで反射させることで、ヘッドライトをひとつの面のように光らせる。

フロントマスクやドアのプレスラインに兄弟車種の面影を感じさせるいっぽう、サイドビューには新型シャトルならではのデザインを見ることができる。過去、エアウェイブやフィット・シャトルではボディカラーと同色に塗られたCピラーがデザイン上のアイデンティティだったが、新型シャトルではそれが消滅。一般的なブラックアウトされたCピラーとなった。特徴的なウィンドウラインは、フロントから後方に向かって伸び、リアドア後方で給油口を避けるように再び下がって行き、テールレンズに繋がる。リアドアを共有するフィットとの関係性を強く感じさせる部分だ。

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