マクラーレン570Sクーペ/540Cクーペ

公開 : 2015.06.04 22:00

エクステリア


570Sと540Cのディメンションは全くの同値。全長は4530mm、全幅は2095mm、全高は1202mmとなる。

ちなみに675LTの全長は4546mm、全幅は2095mm、全高は1188mm。650Sは全長が4512mm、全幅が2093mm、全高が1199mmだ。

出力の関係から650Sの方が大きいと思いきや、実は570Sと540Cの方が2mm幅広で3mm背が高いというわけだ。

外観はマクラーレンの言葉を借りると ‘シュリンク・ラップト’。小さく引き締まったという意味合いがあり、特にアッパー・クラスのモデル群に比べると(写真ではわかりづらいかもしれないが)ギュッと引き締まった印象を受ける。

近づいてみると、複雑な面構造であることがわかり、ラインは別のラインへとなめらかに接続されている一方、例えばヘッドライン周辺など、パーツの端面はエッジが立っておりシャープな印象を受ける。

決してスタイリングありきのデザインではなく、細部まで物理的な根拠を元に作りこんでいるというのがマクラーレンのアピールしたいところ。以下でエアロダイナミクスの具体例をおさらいしよう。

まずはフロント・バンパー。こちらはエアフローとボディワークを最初にどう接触させるかを重要視したという。フロント・バンパー部にははっきりとしたセンター部分が形作られており、このパーツがエアフローを切り裂いて空気抵抗を減少させるとともに4つのグループに分割する。この4つに分割された気流はボディワーク上部、下部、そして左右を通過する仕組みだ。

ボンネット上に刻まれたはっきりとしたラインはデザイン上のアクセントになると同時に気流をドアからサイドのエア・インテークへと流し込み、フォーミュラ1のそれとよく似た高温のラジエターの冷却に用いられる。フロント・バンパー下部のエアロ・ブレードの角度ももちろん綿密な計算がなされたもの。低音ラジエターの直前に圧力の高い領域を形づくるのに役立っている。

90年代に登場したマクラーレンF1を筆頭に、マクラーレンはすべてのロードカーにディヘドラル・ドアを採用してきたが、スポーツ・シリーズも例外ではない。ただ、ドアが開く角度は今まで以上に大きくなっており、開く際にたどる軌跡にも改良を加えた結果、開口部は従来のものよりも大きくなっている。これに呼応してカーボン製モノセルⅡにも改良を加えており、乗降性も良くなった。

また、中央部が盛り上がった形状のルーフは圧力が低い領域を意図的に生み出している。その他にも、くぼんだ形状のリア・ウインドウと、新たに薄型化されたBピラーなど、視界を良くするための工夫も施されている。

 


 

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