アウディTT
公開 : 2015.08.20 21:50
昨年3月のジュネーブ・モーターショーでデビューした第3世代のアウディTTがいよいよ日本国内でも発売されることとなった。しかも、昨年10月のパリ・モーターショーでクーペに遅れること9ヶ月で登場したロードスターも、日本では同時発売となる。
言うまでもなくアウディTTは、1998年に初代が登場したスポーツ・モデルである。当時のプロジェクト・マネージャーは、現在アウディの技術担当取締役としてその腕を振るっているウルリッヒ・ハッケンベルグである。フォルクスワーゲン・ビートルを思い切り扁平にしたような、その “円” をモチーフとしたデザインは、かっちりとしたサルーン・スタイルが主だった他のアウディのモデルとは一線を画すものであり、このTTの登場以降はある意味アウディのイメージ・リーダー的な役割も果たしてきた。2006年に登場した第2世代も、そして9年振りのフル・モデルチェンジとなった第3世代も、そのデザイン・コンセプト自体はデビュー当初から大きな変更はない。
今回日本仕様として用意されるのは合計4グレード。クーぺはベーシックなFWDのTT 2.0TFSI、4WDモデルのTT 2.0TSFIクワトロ、よりハイパワーなユニットを搭載したトップ・モデル、TTS 2.0TFSIクワトロの3グレード。そしてオープン・モデルとして2.0TFSIクワトロが設定される。
ちなみにアウディTTのTTは、イギリスはマン島で行われているモーターサイクル・レース、ツーリスト・トロフィー(TT)に由来する。アウディの前身とも言えるメーカーの一つであったNSUが、かつて自社のモーターサイクルでこのTTレースで活躍したことにルーツを持ち、その後、NSUが1950年代に生産した初の四輪であり、リア・エンジンのコンパクト・セダン、プリンツのスポーティ・モデルとしてTT、およびTTSのネーミングを使用している。
エクステリア
ボディ・サイズは全長が4180mm、全幅が1830mm、1350mmと、先代に較べて全長、全幅がそれぞれ10mmほどコンパクトになっている。それでいてホイールベースは40mm拡大された2505mmとなった。これは、前後のオーバーハング部分を切り詰めたということを意味する。従って、そのフォルムは先代よりもより伸びやかでダイナミックなものとなっている。
エクステリアは第1世代ほど丸くはないが、それでも全体的にはなだらかなルール・ラインを特徴とする流麗なクーペ・スタイルが特徴。この第3世代の特徴とも言えるのは、上級グレードには標準装備となるマトリクスLEDテクノロジーを採用したヘッドランプと、これまでグリルの中にあったフォー・シルバー・リングスがグリルの外のボンネット先端に移植されたことなどがあげられる。
TTSとTTの違いは、主にフロント・エンドのグリル・デザインにある。TTSではアウディのアイデンティティであるシングル・フレーム・グリルの水平バーがシルバーのストリップを付加した専用デザインとなり、そこにTTSのエンブレムが配される。また、リアも通常のTTが2本出しのテール・ランプなのに対し、TTSでは4本出しとなり、ディフューザーもシルバーにペイントされる。更にTTSは通常のTTとは異なる前後バンパー、サイドシルを持つ。
この美しいクーペ・ボディの空気抵抗値はクーペで0.29、ロードスターでも0.30という値だ。
なおロードスターは、クーペが2+2のシート・レイアウトなのに対し、完全な2シーターである。また、その全高はクーペに対して20mmほど低くなっている。従って、クーペよりもさらに低くなめらかなシルエットを持つ。アコースティック・ソフトトップと名付けれたトップは50km/h以下であれば走行中でも開閉が可能で、必要な時間は10秒程度。ソフトトップ自体は5層構造で、遮音性・遮熱性が高いのが特徴だ。