アウディTT
公開 : 2015.08.20 21:50
インテリア・装備
今回、大きくリフレッシュされた項目のひとつとしてそのインテリア・デザインが挙げられる。中でも、アウディ・バーチャル・コクピットとネーミングされたインストルメント・パネルは目玉のひとつだ。このインストルメント・パネルは、ドライバーの正面に構えるメーター・ナセルの中に、12.3インチの大型液晶ディスプレイを収め、そこにグラフィカルにスピード、エンジン回転数、燃料残量といった通常のインフォメーションの他、DIS(ドライバー・インフォメーション・システム)、MMI(インフォテインメント・システム)などのディスプレイを統合したもの。液晶は1440×540ピクセルというサイズで、その大きなディスプレイに鮮明なアニメーションを提供するために、グラフィック・チップのトップ・ブランドであるNVidiaからの高速なグラフィック・プロセッサーであるTegra30の供給を受けている。このTegra30は、1GHzのスピードを持つ4コアのプロセサーで、非常に高い処理能力を持つものだ。今後、このアウディ・バーチャル・コクピットは今後アウディの他のモデルにも拡大採用されていくものと思われるが、とりあえずその第1弾がTTなのだ。
このバーチャル・コクピットとの融合でより使いやすくなったのがMMIだ。バーチャル・コクピットの採用で、専用のモニターが必要でなくなり、すべての情報がメーター・ナセル内に表示される。また、このバーチャル・コクピットは、単純に情報をディスプレイするだけでなく、タッチパッドが付属しているため、画面をスクロールしたりズームしたり文字を入力することもできるというものだ。
更に標準装備されるアウディ・コネクトは、インターネットとの接続が常時確保され、Google Earth、Google Street Viewなどとの連携を初め、8台のモバイル機器をWi-Fi接続可能。もちろんネット・サーフィンやeメールを愉しむこともできる。更に、アウディ・コネクト・ナビゲータを利用すれば、専用コールセンターのオペレーターを通じて、施設検索サービスやホテル、レストランの予約手配サービスを受けることもできる。
もうひとつコクピット・デザインで注目されるのは、丸型のエア・ベントに空調コントロールが統合されたことだ。シート・ヒーター、室温、リサーキュレーティング・モード、風向き、風量といったスイッチが、丸型のエア・ベントの中央に設置されており、このスイッチのポジションはエア・ベントの向きを調節しても変わることがない。そのデザインはジェット・エンジンを思わせるものに仕上がっているとアウディではコメントしている。
シートもヘッドレスト一体型の新デザインのもの。従来のシートに対してボディのサポート機能が向上し、シート自体の重量も一座につき2.5kgも軽量化されている。また、TTSおよびオプション設定されるSライン・パッケージではシートがよりスレンダーでサイドサポートが強力になったSスポーツ・タイプが装備される。
装備でのハイライトのひとつに、マトリクスLEDヘッドライトがある。今回のTTは、すべてのモデルのヘッドライト、テールライト、ブレーキ・ライト、室内照明などすべてがLEDとなるが、更にマトリクスLEDヘッドライトがTTSに標準装備、それ以外のグレードにオプションで用意されることになる。このマトリクスLEDヘッドライトは、ルームミラーの背後に設置されたカメラが前方を監視し、自動的にヘッドライト・ビームを部分的に調光するというもの。ハイビームは12個のLEDで構成されるが、そのひとつひとつが前方の交通状況に応じて64段階に減光するという。システムで制御可能なハイビームの作動パターンは合計で数100万にもなる。そのため、高速道路などではハイビームにしたままの走行が可能で、夜間の視界が大幅に広がることになる。
ボディ・ペイントは今回11色が設定されている。そのうち、グレイシア・ホワイト・メタリック、フロレット・シルバー・メタリック、ミトス・ブラック・メタリック、タンゴ・レッド・メタリック、モンスーン・グレー・メタリック、デイトナ・グレー・パール・エフェクト、パンサー・ブラック・クリスタル・エフェクト、ペガス・イエローの9色が新しいボディ・カラーだ。また、セパン・ブルー・パール・エフェスととパンサー・ブラック・クリスタル・エフェスとの2色はTTS専用のボディ・カラーとなる。
価格は、TTクーペ2.0TFSIが5,420,000円、TTクーペ2.0TFSIクワトロが5,890,000円。TTSクーペ2.0TFSIクワトロが7,680,000円。そしてオープン・モデルのTTロードスター2.0TFSIクワトロが6,050,000円だ。