フィアット500X
公開 : 2015.09.29 12:57
911にしろミニにしろ、確固たるデザインキューを持つクルマの派生モデルに出会うときは、なんとも独特なものがある。
数年ぶりに知人と再開したとき、頭のなかのモンタージュ機能が当人と認定するまで数秒を要する、あの感じに似ている。
新型モデル、フィアット500Xを遠まきに見つけたときも、姿は5ドアSUVに変わっていたが、すぐにそれと分かり駆け寄った。
…ん、いや。なんか、すごいデカくなってませんかね。
エクステリア
先行展示の舞台となった長谷寺の急な階段を登り切ると、ホワイトの500X(チンクエチェント・エックス)ポップ・スターがお尻をこちらに向けていた。
フィアット・チェントロ・スティーレのロベルト・ジョリートが筆をとった500Xは、その名の通り500をモチーフにした5ドアのクロスオーバー・モデルだ。その全長x全幅x全高は、4250x1795x1610mm(FFモデル)。
500と比べると、705mmも長く、170mmワイドになり、95mmも背が高くなっている。
ミニ・クロスオーバーと比較しても、500Xは145mm全長が長く、5mmワイドで、60mm全高が高いというなかなかの体つきだ。数値でみるとホンダ・ヴェゼルと同じくらいのサイズにあたる。
フロント・フェイスは、長円形にされたヘッドライトとスモールランプを含め、500の要素を多く盛り込んでいる。とくにFIATのエンブレムをセンターに配すレトロ・テイストのクロームバーは本家ゆずりの意匠だ。
リアのスタイリングは、テールランプやリア・ガーニッシュをやはり500のように仕立てているが、スキッドプレートの存在がSUVモデルであることを物語る。
グレードは3種類用意され、FF仕様が、ポップスターとポップスター・プラスという2車種、4輪駆動がクロス・プラスという1車種。シティ・ユースを想定する前者は逆台形のフロント・グリルが特徴のスタイリッシュなモデルで、オフロード・ルックの後者は台形のフロント・ガードとプロテクターを前面に構える。
愛くるしげな顔だちにマッスルの概念を与えられた500Xは、どんな走りをするのか中身が気になるところだ。