フィアット500X

公開 : 2015.09.29 12:57

パワートレイン

本国イタリアでは、毎月のようにスモールSUV市場の売上シェア半分を占めるほどセールスが好調なこのモデル。欧州では1.6ℓのガソリンおよびディーゼル・エンジンのほか、2.0ℓディーゼルがラインナップされる。

日本仕様の心臓部には1.4ℓの直4ターボ・マルチエア・エンジンが選ばれた。FFモデルでは、最高出力140ps、最大トルク23.5kg-mを発揮し、これに6速デュアルクラッチATを組み合わせる。

一方、4輪駆動モデルでは、最高出力が170ps、最大トルクが25.5kg-mにアップし、フィアットとして初の9速オートマティックを組み合わせ、トルク・オン・デマンド式の4×4システムを構成する。

電子制御式のこのトランスミッションは、専用マッピングを搭載するほか、マニュアル・シーケンシャル・モードへの切替が可能だ。4WDシステムは、リア・アクスル分離機能を採用しており、通常走行時は、燃料消費率を抑えた前輪駆動で走行し、後輪に駆動力が必要な滑りやすい路面では自動で4輪駆動モードに切り替わる仕組みだ。

またSUVモデルを謳う500Xだけあって、ドライブ・モード・セレクターが採用された。これは、センターコンソール上のダイヤルで走行モードを選ぶもので、エンジン、ブレーキ、ステアリング、トランスミッションのセッティングを3つのモードから選択できる。

「オート・モード」は扱いやすさと低燃費に特化したもので、快適性を高め、燃費やCO2排出量を最小限に抑えるため、パワステのアシスト量やギアシフト・ポイントを最適化する。

「スポーツ・モード」はエンジンレスポンスを高め、ESCシステム、ステアリング設定を変更し、よりダイレクトなドライビングを実現するモードで、メーター内にはGセンサーやブースト計を表示することが可能だ。

「トラクション・モード」は雨天や凍結時などの悪路走破性を高めるために低速域のトラクションを高めたもの。このモードを選択すると、FFモデルではトラクション・プラスというシステムが起動し、ブレーキを制御することによってセルフ・ロッキング・デフと同様の働きを実現する。4輪駆動ではリア・アクスルへのトルク伝達を積極的に行う。

シャシー&ボディ

プラットフォームは、FCAが今夏日本に導入したジープ・レネゲードと共有のスモール・ワイド4×4アーキテクチャを採用。

全体の70%に高張力鋼板を用いたことで、車両重量をFFモデルで1380kg、4駆モデルで1460kgに抑えながらも高い剛性を確保した。また、衝突安全性対策として、車両後部にはプラスティックとスティールからなるハイブリッド・クラッシュ・ボックスを採用している。

サスペンションは前後ともに、マクファーソン・ストラット式。ステアリングは電動パワーステアリングで、日本仕様は右ハンドルの設定だ。

4輪駆動モデルは、アプローチ・アングルが21.3°、ランプブレークオーバー・アングルが22.3°、ディパーチャー・アングルが30.1°。スキッドプレートを備えるため、オフロード走行も可能だ。

パワートレインやシャシーのつくりを見ると、500の単なる焼き直しでないことを分かって頂けただろう。

関連テーマ

おすすめ記事