アウディは10月7日、アウディとしては初のプラグイン・ハイブリッド・モデルとなるA3スポーツバックe-トロンを日本国内で発売開始すると発表した。

各メーカーとも2020年の目標とされるCO2排出量、95g/kmを達成するために努力を重ねているが、それを実現するために考えられる現実的な手段は3つだろう。まずガソリン・エンジンそのもののダウンサイジング化、そしてクリーン・ディーゼルの推進、そしてパワーユニットのハイブリッド化がそれだ。EVやFCVなどがこれに続くわけだが、この2つはまだまだ実用に充分に耐えうるだけの段階ではないとも言える。アウディは、ダウンサイジング、クリーン・ディーゼルには積極的に取り組んできたわけだが、今回、3本柱の最後の砦であるハイブリッドにも進出したわけである。

このA3スポーツバックe-トロンは、基本的には現行A3スポーツバックに、パラレル・ハイブリッド・ユニットを搭載したモデルとなる。搭載されるハイブリッド・ユニットは、ガソリン・ターボの1.4TFSIとモーターを組み合わせたもの。

ガソリン・エンジンは直列4気筒1394ccインタークーラー付ターボで、150ps/5000-6000rpm、25.5kg-m/1500-3500rpmを発揮。その直後に、デュアル・マス・フライホイールと、デカップラーを介してモーターが取り付けられる。75kWのモーターは液冷式で、109psのパワーを発揮。合計の出力は、204ps、35.7kg-mとなる。そしてそのパワーは、6速Sトロニック・デュアル・クラッチ・トランスミッションを介してフロント・ホイールに伝えられる。ちなみに、トランスミッションは、モーターとデカップラーを収めるハウジングを持つ専用のものだ。なお、エンジン本体の重量は100kg、そしてモーター本体の重量は34kgとなっている。

パフォーマンスは、0-60km/hが4.9秒、0-100km/h加速が7.6秒、そして最高速度は222km/hとなる。この数値は、1.4TFSIの0-100km/h加速9.3秒、最高速度206km/hを上回り、1.8TFSIの0-100km/h加速7.2秒、最高速度235km/hに近い数値である。