アウディA3スポーツバックe-トロン
公開 : 2015.10.07 21:40
ドライブ・モードは通常のエンジン・モデルとは異なり、ハイブリッド・オート、ハイブリッド・ホールド、ハイブリッド・チャージ、そしてEVの4つとなる。これにSトロニックのDとSのモードの切り替えが加わる。例えば、ハイブリッド・モードでSのシフトモードの場合、ドライバーがアクセルオフにするとエネルギー回生が働いて一定の減速Gがかかるが、Dのシフトモードの場合、ドライバーがアクセルオフにするとドライブシャフトからはエンジンも電気モーターも切り離された状態になり、クルマは慣性で走る「滑走」モードとなって走行距離を延ばすという。ちなみに、EVモードの場合、航続距離は50km、そして最高速度は130km/hとなる。基本的にはエンジンに火が入ると、モーターもパワー・オンとなり、エンジンの回転数がモーターと同じになった時点でクラッチがクローズするというもの。そのクラッチのオープン/クローズのタイミングはドライバーはほとんど感じないという。
気になるCO2排出量と燃費は、ECEスタンダードの計測値で、35g/km、そして66.7km/ℓをマークする。日本国内でのJC08モードでは23.3km/ℓだ。共に日本未導入のモデルではあるが、同じECEスタンダード計測値では、110psの1.2TFSIが15.9km/ℓ、同じく110psの1.6TDIが21.3km/ℓという値だから、実にディーゼル・モデルの3倍以上も走ることになる。
このe-トロンに搭載されるバッテリーは、8.8kWhのリチウム・イオン。搭載位置は、通常のモデルでは燃料タンクが置かれる場所になる。すっぽりとその部分に収まったため、5シーター時で280ℓ、2シーター時で1,120ℓというブートスペースは一切犠牲になっていない。バッテリー自体は、25℃言う最適な動作環境を保つため、8つのモジュールからなる4枚のプレートで冷却される液冷式。バッテリー・シェル自体は、ボトム・シェルはダイキャスト・アルミニウム製、トップ・シェルはポリマー製だ。バッテリー自体の重量は125kgとなる。
ボディ・ウエイトは1570kg。これは1.4TFSI CODが1330kgということを考えるとプラス210kgとなる。モーター単体が34kg、バッテリーが125kgということを考えると妥当なところだろう。
バッテリーへのチャージは、フロントのシングルフレーム内、4リンクの後ろに隠されたチャージ・ソケットによって行う。日本仕様でのチャージタイムは、200V電源を使用した場合最大3時間と発表されている。
なお、ボディ、シャシーといったものはスタンダードなA3からほとんど変更はない。タイヤ、ホイールのサイズは225/45R17が標準だ。
なお、価格は5,640,000円、これにクリーンエネルギー自動車等導入促進対策費用が最大61万円適用される。するとドイツ本国の値段、€37,900(510万円)とほぼ変わりない価格だ。