スズキ・エスクード
公開 : 2015.10.15 21:50
内覧会場には、アトランティス・ターコイズ・パール・メタリックという、消えた大陸の名を冠した車体色の新型エスクードが、雨に打たれていた。
コバルトブルーの光沢を帯び、毒毒しいほどに色あざやかな姿は、密林で見つけた新種の生物のようだ。こじんまりしていた初代エスクードとも違う、大柄になった2代目・3代目とも違う、また別のなにかに思える。
今度のモデルは、スズキの本格クロカンと都市型クロスオーバーとのすき間を埋めるためにやって来た。
一方の現在発売中のエスクード(2.4ℓ)については、本格的クロスカントリーのシンボルとして生き残り、この新入りとともにエスクード・シリーズを構成するという。
謎多き新型エスクードを説き明かす。
エクステリア
車内に乗り込み、勢いよくドアをしめると、雨の白玉がいっせいにこぼれ落ちた。ステアリングを回し、クルマの向きを変えてみると、見た目よりもコンパクトな印象だ。
全長x全幅x全高は4175x1775x1610mm。現行エスクード2.4ℓに比べて、全長が125mm縮み、全幅が35mmスリムで、全高が85mm低い。新型は小さくなったのだ。マツダCX-3を比較相手にすると、新しいエスクードは全長が-100mm、全幅が+10mm、全高が+60mmというサイズになる。
生き物の目ともいうべきヘッドランプは、ロービーム側にLEDを採用。これとメッキ・フロントグリルを連続性のあるデザインにしたことが、車体を実際よりもワイドに感じさせている。バンパーの両端に配した縦長のLEDイルミネーション・ランプも効果的に車幅を広く見せている。
キャラクターラインは、ボディサイドをなだらかに上っていき、リア・タイヤの手前で跳ね上がるスタイル。リアに “ALLGRIP” のエンブレムを見つけたらそれは4WD車だ。
新型はエアロダイナミクスにも力を入れており、車体底部形状の最適化、エンジンおよびメインフロアへのアンダーカバー装着、前後ストレイクの採用により、空力性能と燃費性能を向上し、スタイリッシュなモデルになった。