レクサスGS F
公開 : 2015.11.25 23:00
インテリア
ここからはレクサスの遊び心を感じる部分である。新しいクルマは次から次に発売されるが、なかでもGS Fのインテリアはインパクトが強い。
ボディスーツをモチーフにしたという5人分のシートは、近未来を舞台にするアニメーションに出てきそうだ。これは表皮一体発泡成型したもので、乗員の骨格・筋肉の流れにそうように縫製したステッチを採用している。手足で支えることに頼らない設計手法で、実際に腰を下ろしてみると、サイドサポートで押さえるのではなく、シートに身を預けて包まれる感じがする。
乗員を囲むオーナメントパネルは本アルミを採用し、それに独特な削り跡を残す名栗という工法で味付けしている。さらにオプションで、マーブル模様が特徴のフォージド・コンポジット・カーボン(写真)や、カーボンパネルなどを選ぶことができる。
インテリアカラーはGS F専用色を4タイプ設定。スポーツ志向の強いモデルだけあって、ステアリング、メーター、シフトノブもF仕様になっている。
後席は可倒式のセンターアムレストを備え、カップホルダー、収納ボックス、空調/オーディオ/電動リア・サンシェードのコントロールパネルを配置した高級セダンらしい装備になっている。
装備
スポーティな面ばかり強調されがちなFモデルだが、GS Fには現代の新型車にふさわしい装備が設定されている。
安全面では、歩行者検知機能つきプリクラッシュ・セーフティ、レンディパ—チャーアラート、アダプティブ・ハイビーム・システム、レーダー・クルーズ・コントロールを装備。
ほかにもドライブ・スポット・モニター、ドライブ・スタート・コントロール、タイヤ空気圧警告表示を備える。
また、レクサスのモデルに多く設定されるマーク・レビンソンのサラウンド・システムをオプションで選択でき、標準仕様の12スピーカーに対し、こちらはGS F専用チューニングを施した17スピーカーという構成だ。
なお、このクルマならではの音響装備として、パワートレインのサウンドを強調するアクティブ・サウンドコントロールを標準装備している。これは選択したドライブモードに応じて、前のスピーカーからエンジン音+調整音を出したり、後ろのスピーカーから排気音+調整音を出すというこだわった仕組み。
報道向けの技術説明会では、パワートレインの原音、調整音、原音+調整音という3つの順で聞き比べることができた。わたしもかつてはこういう仕掛けをシニカルに捉えていたが、どうも世界の人たちはこれこそMade In Japanならではのスタイルだと考えるふしがある。そうやってレクサスを見ていくのが、近ごろの自分の楽しみだ。
価格は11,000,000円。
(写真・花村英典、トヨタ自動車)