スズキ・バレーノ

公開 : 2016.03.09 22:00

インテリア

NEXA(ネクサ)は、インドにおけるスズキの高級ディーラー網である。グレーとホワイトで構成されるショールームに足を踏み入れると、スーツに身をつつんだ店員が応対してくれる。ここで扱われるのがバレーノやSX4 S-クロスで、現地では競合車に比べてインテリアに高級感があると評判だ。

そのバレーノだが、抑揚のある外観に対して、車内はブラックの内装で引き締めている。各部にシルバーのアクセントを配しメリハリをつけるだけでなく、シート表皮に光沢がきらめく素材を用いて車内に奥行きを与えた。

スズキの広報によると、日本国内ではスイフト、ソリオ、イグニスが小型車ラインナップの主力となるものの、これらのモデルにはない車内の広さがバレーノの売りになるという。

とりわけ室内長は1975mmにおよび、全長とホイールベースで優るデミオ(室内長1805mm)に比べて170mmも長くなっている。

VDA方式の荷室容量は320ℓで、リアシートを倒さずに9.5インチのゴルフバックやベビーカーが横置きできるのも、マーケットでは決め手となりえる。

運転席は、ステアリングのチルト40mm、テレスコピック36mm、シートリフト60mmの調整量を備え、ブルー基調のメーターにはカラードット液晶ディスプレイ(XTセットオプション)を採用した。また、シートフレームをプラットフォームの一部として開発し、フロントシートの剛性を高め、乗り心地をグローバル展開するに相応しい水準に高めた。

パワートレイン

パワートレインは2種類を用意。一つは、Bセグメント車の方程式とも言える1.0ℓ3気筒ターボ+6速AT。もう一つはソリオやイグニスに搭載される1.2ℓデュアルインジェクション・エンジン+CVTの組み合わせだ。

1.0ℓ3気筒ターボ(写真上)を採用するXTグレードは、新開発のK10Cブースタージェット・エンジンを搭載。直噴とターボというダウンサイジングのセオリーに従い、1.6ℓNAエンジンに等しい性能を発揮する。最高出力は111ps/5500rpm、最大トルクは16.3kg-m/1500-4000rpmというトルクバンドの広さが特徴で、燃料はハイオク指定だ。エンジンの生産は国内の相良工場で行う。

技術面では、6つの噴射口を持つマルチホール・インジェクターを採用し、燃焼効率を向上したのがトピックだ。また、ターボについては、定速走行などでバルブ開、加速や高速時にはバルブ閉制御を行い排気ガス流入量を調節するウエストゲートバルブ・ノーマルオープン制御を採用し、動力性能と燃費を両立している。

6速ATは、ダイレクトなシフトレスポンスが特徴となっており、ステアリングにはマニュアルモード付きパドルシフトを装備した。

一方の1.2ℓ4気筒NAを採用するXGグレードは、K12Cデュアルジェット・エンジン(写真下)を搭載。91ps/6000rpm、12.0kg-m/4400rpmというスペックで、エンジン自体はインドの工場で組み立てを行う。トランスミッションは、副変速機構付CVTだ。

ターボ車はNA車に比べ車重が40kg増し、燃料消費率はターボが20.0km/ℓ、NAが24.6km/ℓ。後者のみエコカー減税対象となる。

次ページでは、インドの税制をうまく活かしたシャシーデザインにスポットを当てる。

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