スズキ・バレーノ

公開 : 2016.03.09 22:00

シャシー&ボディ

インドでは、全長が4m未満の車両は物品税が大きく軽減される。このことがわれわれBセグメント・ファンにとって有利に働いた。

バレーノの全長は3995mm。欧州で評価の高いフォード・フィエスタやVWポロと同値だ。全長を4m未満に抑えると、車重や取りまわしの面で、Bセグメントならではの軽快感が一層増すのはいかんともしがたい事実である。

バレーノには、スズキ新開発のBセグメント用プラットフォームが初採用された。シャシーは骨格部を滑らかにし、板厚を最適化して、軽量化と高剛性を両立。ボディは46%に高張力鋼板を採用しただけでなく、全社的な1部品1g削減運動によって軽量化を推し進めた。

車両重量はターボ車が950kg、NA車が910kgと、全車1t未満に抑えることに成功。このことが燃費や走行性能に寄与しているという。

足まわりは、新開発のプラットフォームにあわせて新設計した。前をストラット式、後ろをトーションビーム式とし、サスペンションフレームと車体メンバーの締結箇所を増やした。

バレーノのドライバビリティに関しては、欧州で走りこみを行い、「応答性が高く安定感ある操縦性、ロングドライブでも快適でしなやかな足まわり」を追及したという。

なお、インドでは乗用車の4WDというマーケットが存在しないため、バレーノはFF車のみの構成となる。

装備

バレーノ報道発表会でこんな質問が飛んだ。「インド生産にあたって困難な点、工夫が必要なことなどはありましたか」

報道陣が一斉にペンを構える。しかし、スズキの開発メンバーら3名は言葉につまった。5秒、10秒と時が進む。わたしのテレコには13秒の無音が記録されていた。

そして答えは、「インドの工場は最新式でして、とくに日本と変わった点はないんです」 ーースズキにとってインドは、もはや普通の国なのであった。

ここで紹介する装備についても、各国で競争激しいBセグメントにあって、なんら遜色のない水準になっている。

ミリ波レーダー方式の衝突被害軽減システムは、前方衝突警報、同ブレーキ機能、前方衝突被害軽減ブレーキアシスト、自動ブレーキ機能を標準装備。同じミリ波レーダーを採用したアダプティブ・クルーズコントロームも標準で備える。

ほかにも横滑りを防止するESP、ヒルホールド・コントロール、前席シートベルト・リマインダーを標準で搭載。

快適装備では、運転席シートヒーターを標準装備。シート表皮はファブリックが標準だ。

グレードはNAのXGと、ターボのXTという2車種が用意され、XTはセットオプションを選ぶことができる。これは、本革シート、フロント・ハロゲンフォグランプ、マルチ・インフォメーション・ディスプレイ、助手席シートヒーター、センター・アームレストなどをセットにしたもので、110,160円のメーカーオプションとなる。

このうちインフォメーションディスプレイは、4.2インチ・カラー液晶に瞬間・平均燃費、トルク/パワー情報、アクセル/ブレーキ情報、走行Gなどを表示できる。

バレーノの車両価格は、XGが1,414,800円。XTが1,617,840円(XTの発売は5月13日)だ。

2車種のスペック詳細は次ページで確認できる。

関連テーマ

おすすめ記事