ベントレー・ベンテイガ
公開 : 2016.06.09 22:55
シャシー&ボディ
ベンテイガの走行テストは、ベントレー史上最も過酷なもので、南アフリカの泥道や砂利道からドバイの砂丘、英国チェシャーのぬかるんだ土地、マイナス30°Cの凍り付くようなノールカップ、さらには焼けつくような50°Cの砂漠など、五大陸で行なわれたという。また、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェでも400周以上の走行テストが行われている。
4WDシステムは、フルタイムで、トルセン式センター・デフ、オープン・リア・デフを備え、フロント40:リア60のトルク配分だ。
サスペンションは、マルチモード・エア・サスペンションが標準となる。ハイ2、ハイ1、ノーマル、ローの4種類のモードを選択可能で、例えばオフロード走行の際には手動でハイ2を選択する。また、トランク内のスイッチを操作してリア・サスペンションを下降させることも可能で、荷物を載せたりトレーラーを連結したりするときに有用な仕組みを持つ。
注目の装備として、ベントレー・ダイナミック・ライドがある。48Vシステムを採用したもので、世界初となる電動式アクティブ・ロール・コントロール技術だ。重心の高いSUVではコーナリング時に横方向の力がかかりやすく横転の危険があるが、このシステムは即座にその力を抑制し、タイヤの接地面積を最大限に確保し、クラストップのキャビンのスタビリティと快適な乗り心地、優れた操縦性を実現するというもの。
また、可変式のアンチ・ロールバーにも48Vシステムが採用され、電気アクチュエーターによって、コーナーでボディ・ロールを抑えたり、車体をキープするための仕事をする。
ステアリングには電動パワーステアリング(EPAS)が採用されている。この新システムは、ドライバーへのフィードバックを向上させる一方、オンロード・オフロードの両方でステアリングのキックバックが抑制されるという。また、EPASではラックに可変レシオを採用し、低速時は素早く軽いステアリングを、高速時は優れた安定性を確保するために抑え気味のレスポンスを実現している。
エレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)も標準で、更にマルチモードのトラクションコントロール(TCS)に加え、ヒル・ディセント・コントロール(HDC)も搭載される。急な下り坂ではHDCによってスピードが自動的に制御されるというもので、ドライバーはハンドル操作と前方の障害物に集中することができる。5パーセントを超える勾配であれば、前進時、後退時とも、2km/hから30km/hの間で速度が設定可能だ。
ブレーキは、フロントがφ400、リアがφ380のスチール製ベンチレーテッド・ディスクで、2500kgを越える重量級のボディに十分なストッピング・パワーを与える。
なお、組み合わせられるタイヤ、ホイールは、285/45R21が標準で、275/50R20および285/40ZR22がオプションとなる。
装備
基本的にベンテイガ・クラスの場合、いわゆる “つるし” のままオーダーするというユーザーは少なく、パーソナライゼーションでのオーダーが行われるものと考えられる。エクステリア・カラーやレザー、ウッドパネル、そしてライフスタイルに合わせたオプションなどが無限とも言えるほど用意されている。
標準のカラー・パレットだけでも17色のエクステリア・カラーがり、オプションを含めると最大90色が用意される。豪華なカーペットもオプションで15種類、ハンドクラフトされたウッド・パネルは7種類、レザー・ハイドは15種類が用意される。
安全装備と用意されるアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)はストップ・アンド・ゴー、プレディクティブACC、トラフィックアシストが含まれ、ドライバーは先行車との車間距離を一定に保つことができる。また、プレディクティブACCはナビゲーション・データとセンサーおよびカメラを使い、次のコーナーや街の境界線、制限速度が変わることなどを予測し、状況に応じて車速を増減させる。
更に、各種道路標識を検出してドライバーに表示する道路標識認識システム、駐車スペースからバック発進する際に後方を横切る車両等がないかレーダー技術で検出するリア・クロッシング・トラフィック・ウォーニング、カメラ4台を使って車両全周囲の画像を表示するトップビューも装備される。また、縦列駐車および並列駐車時に適切な駐車スペースを検出し、狭い場所などでも自動操舵によって駐車の際のステアリング操作をサポートするパーク・アシストも標準装備だ。
他にも、赤外線技術で前方の障害物を認識するエレクトロニック・ナイト・ビジョンやドライバーの視線移動を軽減して安全性を向上するヘッドアップ・ディスプレイも搭載される。
インフォテイメントシステムは8インチのタッチ・スクリーンを装備、60GBのHDDを搭載し、30カ国語に対応している。また、リア・シートのパッセンジャーのためにエンターテイメント・タブレットも導入されている。これは10.2インチの取り外し可能なAndroid端末で、4G、WiFi、Bluetoothに対応し、車内で簡単に高速通信を利用できる。
なお、パノラマ・サンルーフは標準装備になる。
価格は、26,950,000円と発表されており、初年度は80台の販売を目標としている。