ジャガーF-ペース
公開 : 2016.06.13 21:50
―― F-ペースの購入者のじつに90%が、これまでジャガーを検討したことのないドライバーになる見込みです――
ジャガー初のSUVモデルにゴーサインを出した男、フィンバー・マクウォール(同社グローバルプロダクト・マネージャー)の言葉は、このクルマの本質をうまく捉えている。
しかし、ジャガーほど確固たるイメージを持つブランドも他にはない。それゆえサルーンでもスポーツカーでもなくSUVとなると、どうしても眉をひそめたくなる。
ただ、わたしはそんなことをするべきではないと思う。この特集を見れば分かるように、F-ペースはジャガーの新境地を切り拓きながら、ジャガーであり続けもするモデルなのだ。
AUTOCAR読者のまだ知らないジャガーの世界がここに始まろうとしている。
エクステリア
F-ペースのスタイリングには、ライバルメーカーのSUVと明確に異なるアイデンティティがある。それは、4輪駆動でありながら、後輪駆動のようなプロポーションを持っていることだ。
ジャガーらしいショートデッキと短いオーバーハング、SUVとしては長いボンネットがこのクルマの特徴だ。
フロントフェイスは、スクエアなグリルと左右の大きなエアインテークで構成され、スキッドプレートの存在がこれまでのジャガーにはなかった安定感と力強さを印象付ける。ヘッドランプの “J” ブレードシグネチャーLEDが最新世代のジャガーの証しとなる。
サイドからリアにかけては、F-タイプ・クーペの曲線美をうまくクロスオーバーモデルに取り込んだ。2本出しエグゾーストとアンダーガードがリアエンドに高性能SUVらしいパワフルなシルエットを与え、高輝度LEDテールランプが都会的なアクセントを加えている。
ボディサイズは、全長x全幅x全高が4740x1935x1665mm。BMW X3と比較して+75、+55、-10mmというサイズだ。
next page:ハンドリングを妥協しないSUVモデル