スバル・インプレッサ
公開 : 2016.10.13 02:50
パワートレイン、“音だけ10m先を行っちゃう” の改善
「従来のインプレッサは、エンジン回転だけが立ち上がり、音だけ10m先に走っていっちゃう。クルマがあとからついてくるようなCVT特有の印象が強かった。それから全体的にざわざわとしていた」と語るのはエンジン設計部の小野さんだ。
新型インプレッサのパワートレインは、NAの水平対向4気筒、2.0ℓと1.6ℓをラインナップする。2.0ℓは新開発のもので、まず静粛性を高めることから手を付けた。
これは、エンジンとトランスミッションの剛性を高め、ざわざわした音から渇いた音に変更し、音量レベルも下げるという方法を取っている。聞かせたくないノイズについてはボルト追加や材料を変更し、聞こえない領域に追いやったのだ。具体的にはバルブの着座音やカムシャフトとロッカーアームの当たる音を聞こえなくするために、ロッカーカバーの固定点を追加したり、アルミを樹脂に変更した。
さらに燃料システムを直噴化し、約80%の部品の設計を見直すとともに12kgの軽量化を実現している。最高出力154ps、最大トルク20.0kg-mを発揮する新エンジンは、燃料消費率17.0km/ℓを実現。クラストップ・レベルの最大正味熱効率と実用域トルクの向上を達成した。
1.6ℓNAエンジンは従来モデルをベースに115ps、15.1kg-mの性能を維持したまま、環境性能向上と振動騒音の低減、さらに軽量化を進めた。こちらの燃費は18.2km/ℓである。
これに組み合わされるトランスミッションはリニアトロニック(マニュアルモード付き)で、MTモデルは用意しない。チェーン・タイプ金属ベルトのCVTとなるリニアトロニックは、チェーンのショートピッチ化を行い、レシオカバレージ(変速範囲)も拡大。CVT特有の回転一定で車速だけ上がる特性ではなく、強い加速時には1段落として速度を上げる制御としている。さらに小型化・肉厚最適化によって7.8kgもの軽量化を果たした。駆動方式は2WDと、もちろんAWDをラインナップしている。
新型でストレートを気の向くままに加速してみたが、“CVTはちょっと……” という人でも、反応よく吹け上がって軽快に加速するのが分かるだろう。
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