ダイハツ・トール/トヨタ・ルーミー/タンク

公開 : 2016.11.09 01:50

インテリア


「家族にやさしい」と書くことは簡単だが、なにをもって「家族にやさしい」のか? と問われると、ひとことで説明しづらい。

が、以下をご覧になれば、ダイハツとトヨタの、執拗なまでのこだわりを理解できるはずである。

まず、床が低い。小柄な大人はもちろんのこと、小さな子どもでも乗り降りがしやすい。

たとえば両手に買い物袋を抱えていたとしてるとしよう。

ドアをあけるために、荷物をいったん地面に置く。冷たい牛乳などがビニール袋に入っている場合、たちまち結露して、袋に砂や砂利がつく。

ドアをあけるためにボタンを押して、子どもを抱えあげて、チャイルド・シートに座らせて……。奥さんもたいへんなのだ。

両側パワー・スライド・ドアのおかげで、荷物を置く必要もなければ、子どもがドアを勢いよく左右に開いて、となりのクルマにぶつけたりすることもないし、ビニール袋に砂がつくこともない。

「たったこれだけ」と思うことなかれ。細かいところこそ、このクルマを買う層は気にしているのである。

なお、前後シートの距離は1105mmが確保される後席は前後に240mmのスライドが可能。リクライニング角度も70°確保される。

シートを立てた状態でも後席をもっとも前に出しておけば機内持ち込み用のトランクケースを4個まるっと飲み込めるのもありがたい。

シートを折りたためばフル・フラットの空間が出現する。この場合、荷室長は1500mmに達する。

大切な荷室寸法に関しては、タントと比較した数値を以下に記す。

トール/ルーミー/タンク
ダイハツ・タント
荷室長(mm) 740 587
荷室幅(mm) 1300 1140
荷室高(mm) 1070 1050
荷室開口幅(mm) 1077 1080
荷室開口高(mm) 1080 1045
荷室床面地上高(mm) 527 595

 

装備

やはり装備を紹介する資料にも、「家族にやさしい工夫と思いやり装備」と書かれている(両社共通)。

とくに引き出しの開閉状態によってスマートフォンと紙パック(500mm、コンビニでミルクティなどを買う女子はうれしい)の両方をセットできるカップ・ホルダーは、おすすめ装備のようだ。

また、脱着式の大型ダスト・ボックス(5ℓ)がセンター・コンソールについている。生活密着型だ。

その他にも、これでもかというほど小物入れやアンダー・トレイ、バッグのためのフックがついている。これをダイハツは「軽自動車のノウハウを活かした」と説明する。

女性にとってはうれしいUV/IRカット機能がついたウインドウ・シールドつきフロント・ガラスや、後席にエアコンの風を送りこみやすくする吹きだし口の配置など、細かい配慮も徹底的だと感じる。

安全性を考慮したモニタリングもありがたく感じるひとは多いだろう。

ダイハツは ‘パノラミック・モニター’、トヨタは ‘パノラミック・ビュー’ と呼ぶこれは、車両の前後左右に搭載した4つのカメラから取り込んだ映像を合成し、自車を真上から俯瞰しているような映像をディスプレイに表示するシステムである。



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