超・徹底解説 マツダCX-5
公開 : 2016.12.15 03:50
人馬一体をもたらすSKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS
走りを支える足まわりおよびシャシーも、その最終目標は「人馬一体」。今回、基本的なレイアウトおよび骨格は先代CX-5から引き継いではいるものの、意のままに走れることを目標に、バランスに磨きを掛けたという。言葉だけで一言で言ってしまえば、先代のシャシーにブラッシュ・アップを掛けたということになるが、実はパーツ単位でみるとほとんどが刷新されているといって過言ではない内容のようだ。声高に一新しましたと言わないところが、マツダらしいところでもある。
シャシーは持ち越しながら大幅な刷新
サスペンションは、フロントがマクファーソン・ストラットで、リアがマルチ・リンクというレイアウト。フロントのダンパー・ピストン径が拡大されると共に減衰力にも手が入れられている。その結果、入力に対するリニアリティと切り返し時のスムーズさ、コーナリング初期のロールの滑らかさ、旋回中の姿勢のスタビリティを向上したという。更に、フロント・ロア・アームに液体注入式のブッシュを採用して、微細な振動に対する減衰性を高めている。また、フロント・ダンパー内にリバウンド・スプリングを採用し、コーナリング時にフロント・ホイールが浮き上がる現象を抑えている。
シャシー・セッティングで最も重きをおいたのは、意識、無意識にかかわらず、ドライバーの思いのままに動く車両特性、つまり人間中心の動きができるようにしたこと。マツダでは、クルマが人に伝える情報の精度を高め乗員の認知判断速度をサポートする、ということと、従来通りクルマの機械的な応答を高めて人の操作に忠実なクルマ作り、この2つに注力したという。
また、この車両運動制御技術をSKYACTIV-VEHICLE DYNAMICSと名づけている。これは、エンジン、トランスミッション、ボディ、シャシーなどに使われるSKYACTIV技術を統合的に制御することだ。つまり、クルマの運動性能を、エンジンやサスペンション、それぞれに頼るのではなく、すべてをバランスよく制御していく思想である。
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