超・徹底解説 BMW 5シリーズ
公開 : 2017.01.12 05:50
独占インタビュー
5シリーズを語るうえでキーマンとなるイアン・ロバートソン(セールス&マーケティング部門のトップ)にAUTOCARが独占インタビュー。
AUTOCAR(以下AC):新型5シリーズの登場は、どういった点で重要なのでしょうか?
イアン・ロバートソン(以下IR):5シリーズというモデルは、エグゼクティブ・サルーンのトップモデルと考えられてきました。実際のところ、それはわたくし達が望んでいるイメージ像と一致しているものです。
初代までさかのぼると累計販売台数は約800万台にのぼりますが、そのうち先代のF10型だけで200万台を記録しました。そして、世界のあらゆる地域でセグメントリーダーとして認められたのです。
BMWが手にする利益の5分の1がこのモデルによって支えられているのですから、新型発表の意味するところはお分かりになりますよね。
AC:新型があくまで「進化版」というアプローチを取った理由は、先代5シリーズの成功が原因になっていますか?
IR:たしかに、あの成功の結果として、新型がどうあるべきか頭を悩ませました。
オーダー待ちが発生するほど売れていた車種ですから、考えるべきはその人気をどう引き継ぐべきかであって、5シリーズの再定義というアプローチは取らないことにしたのです。
しかし、そのなかでも、エグゼクティブカーのマーケットには改善の余地があると考えておりました。とくにヘッドアップ・ディスプレイや、部分自動運転機能、ジェスチャーコントロールは、新型には不可欠です。わたくし達は、このセグメントのドライバーに向けて先進装備のベンチマークを提案したいのです。
AC:マトリョーシカのように、BMWのラインナップが同じ顔になることを拒んだのはアナタだそうですね。
IR:たとえモデル名が隠されていても、目の前にあるクルマが5シリーズであると分かってもらいたいのです。もちろん、ファミリーとしての近似性はあります。しかし、3シリーズにも7シリーズにも固有の特徴がありますし、キドニーグリルやホフマイスターキンクの解釈でさえそれぞれ異なっているのですよ。