アウディA3/S3 ―― 国内最速試乗
公開 : 2017.01.26 02:50
エンジン
アウディ A3とアウディ S3で知っておいたほうがいいのは、3つのパワートレインだ。
2.0ℓは ‘Bサイクル’ 採用
アウディ A3 1.4 TFSIの1.4ℓエンジンは従来モデルから踏襲。122psの最高出力と20.4kg-mの最大トルクを発生する。変速機は7段ツインクラッチの ‘Sトロニック’ だ。
アウディ A3 2.0 TFSIは従来の1.8ℓに代わる新エンジンを搭載したモデルである。アウディ独自の新しい燃焼方式 ‘Bサイクル’ を採用したところが最大の注目点だ。
Bサイクルは新型アウディ A4で導入されたアウディ独自のエンジンだ。技術による先進をスローガンとするアウディらしい高い技術をもったパワープラントである。
アクセル・ペダルをあまり踏み込まない領域では吸気工程を短縮するミラーサイクルの原理で動く。いっぽう、強めに加速するとバルブ・タイミングは一般的なもの(オットー・サイクル)に戻る。
どちらかというと燃費を重視する低回転域と、パワフルな走りを求める中高回転域。このふたつでともに特筆すべき性能を発揮するのがBサイクルのメリットなのだ。
アウディ S3はもっとパワフルに ギアは6→7速へ
ラインナップの上位に位置するアウディ S3 スポーツバックとセダンは高性能版2.0 TFSIエンジンを搭載。パワーは従来の285psから290psに引き上げられている。
クワトロ システムとともに、変速機も従来の6段Sトロニックから7段Sトロニックへとグレード・アップ。高出力に対応するためアウディ S3の変速機は湿式となっている。
‘アウディ ドライブセレクト’ (アウディ A3 2.0 TFSIクワトロsportとアウディ S3に標準装備)には燃料消費を抑える新機構が設けられた。
実際にドライブするとどうなの?
‘efficiency’ モードを選択していると巡航中のアクセル・オフ時にクラッチが切り離されるのだ。 ‘フリー・ホイーリング’ 機構によりギアがニュートラルな状態となり負荷が低減。燃料消費を削減するとアウディでは謳う。
燃費はアウディ A3 1.4 TFSI スポーツバックおよびセダンが19.5km/ℓ、アウディ A3 2.0 TFSI スポーツバックおよびセダンが16.0km、アウディ S3 スポーツバックおよびセダンが14.7km(すべてJC08モード)。いずれもかなり良好な値といえる。
いまも魅力的なスタイリング・コンセプトが輝きを失っていないアウディ A3とアウディ S3。全方位的に魅力が増したのだ。