スズキ・ワゴンR
公開 : 2017.02.01 02:50
モーターによるクリープ走行が6代目の売り
新型ワゴンRのハイブリッド仕様は、なんとS-エネチャージを採用していない。その理由は、モーターによるクリープ走行を可能とする新システムに進化したためで、今回のユニットから「マイルドハイブリッド」と呼ぶことにした。ややこしいのでワゴンR電動の道をおさらいしておこう。
システム名 | 発表時期 | 利点 | ISG | バッテリー | ||
---|---|---|---|---|---|---|
最高出力 | 最大トルク | 電力量 | 容量 | |||
エネチャージ | 2012年9月 | 減速時のエネルギーで発電・充電 | – | – | 36Wh | 3Ah |
S-エネチャージ | 2014年8月 | 加速時にモーターでエンジンを最長6秒アシスト | 2.2ps | 4.1kg-m | 36Wh | 3Ah |
マイルドハイブリッド | 2017年2月 | モーターによるクリープ走行が可能。加速時のアシストが最長30秒に。 | 3.1ps | 5.1kg-m | 120Wh | 10Ah |
従来型より高回転までモーターがアシスト
図のように新型ワゴンRのISG(モーター機能付発電機)は、最高出力3.1psと高出力化されている。これは、ソリオやスイフトのものと同じ三菱製だ。一方で、リチウムイオン・バッテリー(東芝製)の容量は10Ahにまで大幅に容量が増えた。
発表会場で報道対応していた技術員によると、「従来型は3500rpmまでアシストしたのですが、新型は5000rpmくらいまでやれます。また、モーターでクリープ走行できるようになりましたが、これは渋滞時のノロノロ運転などで効果が分かりやすいと思います」とマイルドハイブリッドの長所を解説していた。
具体的には、減速して車速が約13km/h以下になりアクセルもブレーキも踏まない時や、アイドリングストップ後の停車からの発進時に、最長10秒間のモーターによるクリープ走行を可能にしている。また、発進から約100km/hまでの加速時に、ISGがモーターアシストを行いエンジンの負担を軽減する。
なお、このシステムは軽自動車でクリープするための最適パッケージであって、同じシステムを普通車に展開しても同様のメリットは期待できないという。
組み合わされるエンジンはR06A型の直列3気筒エンジンで、最高出力52ps、最大トルク6.1kg-mを発揮。エンジンは冷却性能を強化し、補機ベルトの張力を抑え高出力化に対応した。トランスミッションは副変速機構付きCVTのギア比を最適化している。
スティングレーにはターボ&マイルドハイブリッドも用意
一方のスティングレーは、最上位のハイブリッドTのみ3気筒ターボを搭載する。こちらのスペックは62ps、10.0kg-mと魅力的だ。
つまりFA、Lを除く全車種が、6代目ではマイルドハイブリッドとなり、モーターによるクリープ走行と、幅広い速度域のアシストにより燃料消費が抑制される。これによりJC08モード燃費が最も優れたモデルでは、軽ワゴンNo.1となる33.4km/ℓを達成した。
デュアルセンサーブレーキサポートなど充実の装備
安全装備が買替え需要の主要因となる現代。新型ワゴンRは、スズキの軽で初採用となる単眼カメラと赤外線レーザーレーダーを組み合わせた衝突被害軽減システム「デュアルセンサー・ブレーキサポート(DSBS)」を選択できる。
これにくわえ、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能と、ヘッドランプのハイビーム/ロービームを自動で切り替えるハイビームアシスト機能(スズキ軽初)をパックで装備したセーフティパッケージが59,400円高で選択可能だ。
また、前述のように運転席前方のダッシュボードに「ヘッドアップディスプレイ」を軽自動車で初めて採用。ディスプレイには、前方衝突警報/自動ブレーキ作動状況、車線逸脱警報、車速、シフトポジション、凍結警告、クルーズコントロール設定(ワゴンRスティングレー HYBRID T)、交差点案内(全方位モニター付メモリーナビゲーション装着車)を表示できる。
グレード構成は、ワゴンRが、FA、FX、FZの3車種、スティングレーが、L、ハイブリッドX、ハイブリッドTの3車種。このうちFAとLがガソリン仕様で、それ以外はマイルドハイブリッド車となり、すっかりラインナップの主役に成長した感がある。
上級グレードのFZには、LEDヘッドランプが搭載できるほか、チルト機構付き本革巻ステアリング、運転席シートリフターなどを装備。
メーカーオプションは、セーフティパッケージと全方位モニター付きメモリーナビなどのパックが用意されるので、詳細を下図で確認して欲しい。
価格は、ワゴンRが1,078,920円から1,470,960円。スティングレーが1,293,840円から1,779,840円
メーカーオプション名 | 設定グレード | 価格(円) |
---|---|---|
セーフティパッケージ [デュアルセンサーブレーキサポート、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシスト機能、ヘッドアップディスプレイ、オートライトシステム、キーレスプッシュスタートシステム] |
HYBRID FX | 96,120 |
セーフティパッケージ [デュアルセンサーブレーキサポート、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシスト機能、ヘッドアップディスプレイ] |
HYBRID FZ、 ワゴンRスティングレー L |
59,400 |
全方位モニター付メモリーナビゲーション [メモリーナビゲーション、TV用ガラスアンテナ、ハンズフリーマイク、外部端子(USB、AUX)、全方位モニター、フロント2ツイーター&リヤ2スピーカー、ステアリングオーディオスイッチ、ステアリングガーニッシュ] |
HYBRID FX | 142,560 |
全方位モニター付メモリーナビゲーション [メモリーナビゲーション、TV用ガラスアンテナ、ハンズフリーマイク、外部端子(USB、AUX)、全方位モニター、フロント2ツイーター&リヤ2スピーカー] |
HYBRID FZ、 ワゴンRスティングレー全車 |
140,400 |