フェラーリによる、フェラーリのための「聖地巡礼」 488スパイダーと166インテルとともに:後編

公開 : 2017.03.05 20:47

166インテルに対面

166インテルを目の前にすると、タイムマシンに乗ってきたのかと疑いたくなる。68年前に生産されたクルマとは思えないほど完璧なコンディションでありながら、レストアを受けたことがないというのだ。注意深く行ったとはいえ、日々のケアだけで、この状態を維持し続けてきたというから、シャッポを脱ぐしかない。

166といえば、そのレース・バージョンが1949年に、ル・マン初参戦のフェラーリに勝利をもたらした偉大なモデルである。

現在まで、その偉業を成し遂げたのはフェラーリとマクラーレンだけだが、このV12ユニットの素晴らしい破裂音と唸りは、今でもそれに挑んでやろうという熱意を主張しているかのようだ。

 
 

このクルマは、マラネロの歴史にその名を残す、ふたりのエンジニアの仕事によって生み出された。エンジンを手がけたのはジョアッキーノ・コロンボで、コロンボ・ユニットと呼称されるこれは、排気量を拡大しながら1960年代中盤まで使い続けられた。

それを積むシャシーは、ランプレディが設計を担当している。ボディはミラノのカロッツェリア・トゥーリングが、独自の軽量化手法であるスーパーレッジェーラを駆使して架装した。

この2.0ℓV12は、レース仕様が140psで、これは当時としては信じがたい高出力。しかも24時間レースを走りきる耐久性を兼ね備えていた。


おすすめ記事