マクラーレン720S
公開 : 2017.03.10 14:02
基本骨格は「モノケージII」カーボン・モノコック
720Sの基本構造体は、もちろん前でも触れたとおりCFRP製のモノコックで、マクラーレンはこれを「モノケージII」と呼称している。前作からさらに18kgが軽量化されたというモノケージIIの採用によって、720Sのスペックシートに掲げられる乾燥重量は1283kgと、全長×全幅×全高で4543×2161(ミラー展開時)×1196㎜というボディ・サイズを考えれば、驚異的ともいえる数字を達成することになった。ライバルに対するアドバンテージは圧倒的で、それは結果的に市場での720Sの評価を決定づける、大きな要素になることは間違いない。
実用面も考えられたパッケージング
キャビンも、より機能的なデザインとなった。最高品質のレザーやアルミニウム製のスイッチなどによるインテリアのフィニッシュは、いかにもマクラーレンの作らしい演出だが、720Sではさらに、折りたたみ式のドライバー用ディスプレイ(フォールディング・ドライバー・ディスプレイ)と、センターパネルのインドテイメント・スクリーンで構成される、革新的なマクラーレン・ドライバー・インターフェイスを採用。ドライバー用ディスプレイは、収納時にはギア・ポジションなどの限られた情報のみを表示し、それによってドライバーの意識を、より走りへと集中させることを可能にする。
フロントに150ℓの容量を持つラゲッジ・スペースを持つ720Sだが、さらにマクラーレンは、キャビンの後方にもラゲッジのための実用的なスペースをデザインしている。210Lの容量をフルに活用しなければならないようなシチュエーションは、スーパースポーツのドライブでは珍しいことともいえるが、必要時のエクストラがこれだけ確保されていることは、カスタマーには大きな安心感となるだろう。
エンジンは720psを発生する4ℓV8ツインターボ
ミドに搭載されるエンジンは、「M840T」のエンジン・コードを持つ、4ℓ仕様のV型8気筒ツインターボだ。前作では3.8ℓとされていた排気量が拡大されたことからも想像できるように、エンジン内部の構成部品は、実に41%が新設計によるもの。より軽量化が進められたピストンやコンロッド、クランクシャフトなどはその代表的な例。ターボチャージャーもタービンを新設計することで、優れたレスポンス性を得ることが可能になった。最高出力&最大トルクは、720ps/7500rpm、770Nm/5500rpm。ギアボックスはシームレス・シフトと呼ばれる、デュアルクラッチ式の7速で、こちらは前作の650Sと共通だが、その制御ソフトウエアなどは、よりスムーズなシフトを実現するためのアップデートが施されている。