アストン マーティンの歴史をめぐる旅:DB6からDBXまで(前編)
公開 : 2017.04.23 07:00
>DB4 GTライトウェイトの復刻生産の場所へ
2003年にアストンが、ジャガー・ランドローバーに隣接する現在のゲイドンへと居を移した後も、ヴァンキッシュを生産し続けたニューポート・パグネル。
もちろん、レストアや特注車製作などを請け負うアストン マーティン・ワークスは、この地で活動している。お目当ては、そのリーダーであるポール・スパイアズと会見すること。彼らの次の仕事は、25台限定のサーキット・スペシャルであるDB4 GTライトウェイトの復刻生産だ。
思い出すのはニューポート・パグネルの全盛期に、ワークスが完璧にレストアしたDB6を走らせたことだ。現在では£300,000(4,193万円)の価値があるクルマ。これは至高の一台だった。
キャビンは想像していたより広く、快適で、レザーの芳しい香りに満ちていた。ワークスは細心の注意を払い、当時の質感と香りを再現していたのだ。そして走りは、トルキーでリラックスした、アストン一族の流儀に間違いなく則ったものだった。
そのステアリングホイールの細いリムと小さなシフトノブは1968年当時を伝え、やや引っかかりのあるシフトチェンジのタッチも時代を感じさせたが、随所にうれしいメカニカル・フィールが行き渡っていた。やや毛羽立ったような感触のエンジンも、古き佳きといった印象だ。