アウディQ2 ―― 国内最速試乗&徹底解説
公開 : 2017.04.26 14:30
■知っておくべき3つのトピック
可変ステアリングで小回りを手軽に
コンパクトなボディ・サイズによるアウディQ2の取り回しの良さはこれまでのSUVにない特筆すべき点と言える。その小回り性能をさらに気軽に引き出すことができる機能が、プログレッシブ・ステアリングの採用である。
中立付近はこれまで通りの感覚でハンドル操作ができるが、大きく切り増していくと舵の切れるスピードが早くなるこのシステムによって、最小限のハンドル操作で小回りをすることができるようになっている。
実際にハンドルを回してみると、右にも左にも1回転するだけでフル・ロックまで軽く舵が切れる。また普通に走らせている際にステアリングのギア比が変化するような違和感も全く感じられなかったので、システム自体の完成度も非常に高いと感じられた。
ポリゴンの締めはリア・エンドにあり
ポリゴン・デザイン・コンセプトを採用したアウディQ2のスタイリングの中でも特に目を引く部分がリア・エンドのCピラーに配されたひし形のパネル「ブレード」である。
ボディと同色も選べるこの樹脂パネルだが、アイス・シルバー・メタリックとマット・チタン・グレーというスペシャル・カラーを選択するとクーペ・ライクなスタイリングをより一層シャープなものにできる。
Q2 1st エディションではボディのカラーによってアイス・シルバー・メタリックかマット・チタン・グレーのブレードが標準で装備される。
実際にドライブするとどうなの?
試乗してみて感じたアウディQ2 1st エディションのドライブ・フィールは、名は体を表すといった感じで、これまでのアウディの上級モデルにも通じるカチッとした印象に満ちていた。
限定車の装備であるスポーツ・サスと18インチ・タイヤの組み合わせは大きな入力ではバシッという音を響かせるが、タイヤ自体もショルダーが丸く柔軟なことに加え、ダンパーと剛性の高いボディが一発で衝撃を収束させるので不快ではない。
ハンドリングにクセのようなものはなく、SUVにありがちな腰高感も皆無。巧妙な気筒休止によって燃費を稼いでいるはずの1.4ℓエンジンの「休止を覚らせない見事な仕事ぶりだった」という英国版AUTOCAR編集部からの情報にもあったように「売れない理由が見当たらない」1台といえる。