アウディRS5がモデルチェンジ 解説、新型はどう変わった? 試乗記も
公開 : 2017.12.14 18:40
パナメーラ4Sを引きあいに
3.0 TFSIエンジンからの変更は、言うまでもなく排気量だ。シリンダーのストロークを3mm短くして86mmとしている。「内部にかかるより大きな応力を考慮して」とアウディでは説明する。さらに微視的にみると、クランクシャフトを補強するために、メインベアリングの径は独自に2mm拡大している。
もうひとつ、というか最大の変更点ともいえるのが、バイターボ化だ。バンクごとに大径ターボチャージャーを装着して大出力を絞り出している。さきにも少し触れたインジェクターもハイパワー化に貢献している。
このユニットはアウディがいうところの「Bサイクル」という燃焼方式が採用されている。エンジンの負荷状態、つまり回転に応じてバブルの開閉タイミングが自動的に調整されるのがこのシステムの妙。
アクセルペダルをあまり踏んでいないときは燃費重視の燃焼で、とばしているときはパワーが重視される。これに高性能インジェクターも大きく貢献しているという。
すでに何度も登場する名称だが、わざわざ特別な名前をつけたのには、従来のミラーサイクルにターボ技術と、理想的なスワールを燃焼室内に発生させたうえでインジェクターにより高効率の燃焼を実現しているという自負からだ。
興味ぶかいのは、現在ポルシェとアウディは(ある意味かつての924時代のように)エンジン開発において緊密な協力関係にあることだ。このアウディいうところの2.9 TFSIユニットも同様だ。パナメーラ4Sと(ほぼ)おなじである。
RS5クーペとパナメーラ4Sの2つのユニットを比較する、基本的な成り立ちは同じで、ストロークは86mmと共通。ただしボアがポルシェでは84mmであるのに対してアウディは84.5mmと拡大されている。パワーはポルシェが440psだがRS5クーペは450ps。トルクも56.1kg-mから61.1kg-mへと引き上げられている。