アウディRS5がモデルチェンジ 解説、新型はどう変わった? 試乗記も
公開 : 2017.12.14 18:40
試乗記
「RSは本当に『別もの』だ」
アウディRS5クーペは機能的なパッケージングを持ちつつ、きちんと『派手』である。クルマにもっとも大事な要素である、乗るひとの気分を昂揚させてくれるはなやかさなのだ。それが徹底しているのが他にない魅力となっている。
張り出したフェンダーに大きく拡大されたエアダム。中央にはすごみをきかせた大きなグリル。立体的な形状のヘッドランプには、見る人が見ればすぐわかるスポーティなアウディであることを証明するLEDによるシグネチャーランプが組み込まれている。
このクルマに興味を持つひとにとっては、スタイリングにおける多少の誇張は歓迎すべき特徴だろう。もちろん走り出したとたん「RSは本当に『別もの』だ」とうれしくなる。
スウェードで巻かれたフラットボトムのスポーティなステアリングホイールと、ハニカムパターンのステッチでいろどられたスポーツシートの役割は視覚的効果だけでないと、走り出して最初のコーナーに入った瞬間にわかる。
静止から時速100kmまでの加速が3.9秒とリアルスポーツカーなみの数値が発表されている。これはおそらくまったくの誇張でない。はじけるような加速感は圧倒的だ。
試乗した車両にはフロントセラミックブレーキ(2017年12月の時点で84万円のオプション)が装着されていた。強烈な制動力ととともに、足に直接ブレーキがくっついたような、絶妙なコントロール性に驚かされる。
今回の試乗コースにはコーナーが連続する道が含まれていなかったのは残念。そう思いたくなるぐらい、路面に吸いつくように走り、車体のロール制御といいステアリングホイールの正確性といい、みごとな出来である。
1900rpmから61.1kg-mの大トルクを出す設定のエンジンだけに、踏み始めから猛烈な力だ。軽めのアクセルペダルに載せた足のごくわずかな入力にも敏感に反応して、驚くほどのペースで疾走する。
かつて最初にRS4アバントに乗ったときのことを思い出した。あのときも炸裂するパワーが圧倒的だったが、進化したRS5クーペではすべてのコントロールが繊細に行えるのも大きな特徴だ。