メガーヌ ルノー・スポール 井出有治に訊く、2018年新型R.S.と先代モデル

公開 : 2018.09.28 11:40

MT好きが語る、6速EDC/4コントロール

――もうひとつ、変速機がツインクラッチの6速EDCとなったことも新型メガーヌR.S.の大きなトピックです。

「個人的にはMTが好きなんですが、それはあくまで自分の好みの話で。より多くの人が楽しめる多様性と、サーキットでの速さなどを考えると、時代が2ペダルになっていくのは当然でしょう。R.S.のEDCはルーテシアR.S.でも何度も乗りましたが、今回はさらに鋭くなっていますね」

新型メガーヌR.S.のパワートレインは、1.8ℓターボと6EDCを組み合わせ、新たにパドルシフトを装備したのが大きなトピックだ。ブレーキペダルを踏みながら左パドルを引き続けると、スポーツ/レースの両モードでは、車速に応じた複数段のシフトダウンができる。

 

――前もってパドルを複数回弾いておくだけで、ターンインで減速に応じて最適にダウンシフトしていってくれる「マルチダウンシフト」もR.S.独自の技術です。

「それで変速がいちばん速くなるレースモードにすると、どんなに変速が上手いプロドライバーでももう絶対に勝てない(笑)」

4コントロール 低速域と高速域

――新型メガーヌR.S.最大のポイントである四輪操舵は、最も “らしい” レースモードにすると、4コントロールは後輪が100km/h以下で逆位相、100km/h以上で同位相にステアします。

「そのあたりは安全が確保されたコースで試しましたが、スラロームなどでは、同位相になるとリアのスタビリティが上がるのがハッキリ分かりました。高速道路などで乗っていても安心感があって、これは効果的です」

四輪操舵の「4コントロール」は、ルノー・スポールが専用チューン。タイロッドを電子制御のアクチュエーターで動かし後輪を操舵する。最大切れ角は2.7°に達する。

 

「速度の低い逆位相では、今度はいい意味でリアが軽くなって、明らかに旋回しやすくなります。逆位相ではリアの限界が低くなると聞いていたんですが、実際はそこに違和感が出たり、走っていて物足りなく感じることはまったくありません。コーナリング中に意図的に速度を変えると、途中でリアの舵角が変わるのも感じられましたが、その変化にまるで不安がないのも大したものだと思います」

――サーキット走行では、どんなメリットがありますか?
 

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