HCCで、新型の走りはどう変わる？

「100km/h以上の同位相ではタイヤのサイド剛性やしっかり感を感じられるので、サーキットのタイムアタックでもコーナーで安定して、安心して踏めるんじゃないかな」

――そうしたスポーツカーとしての走りは新旧それぞれでメリット、デメリットがあると思うんですが、乗り心地は圧倒的に新型のほうが快適ですよね？

「うん、それは間違いない（笑）。個人的には先代のような張りのあるサスペンションや乗り心地も好きですが、うねっている所や凹凸のある荒れた路面での追従性では、新型のほうが圧倒的に進化しています」

日本発売に合わせテストドライバーのロラン・ウルゴン、ダイナミクス開発の指揮を執ったフィリップ・メリメが来日。クローズドコースでの走行披露など行った。

――そのあたりは、高負荷のフルバンプ領域でセカンダリーダンパーが作動する、独自のHCC（ハイドロリック・コンプレッション・コントロール）が効いているそうです。

4輪全てのサスペンションにHCCを内蔵したダンパーを装備。ダンパーロッドが縮み、ストローク終端部に近づくと、セカンダリーダンパーのピストンが減衰力を発生。従来のバンプストップラバーのような反力や振動を伝えず、大きな入力に対してタイヤがグリップを失わない。

「そういう場面も含めて、ジャジャ馬で攻めている感覚があった先代も、自分としては好きでした。先代は操舵した状態でアクセルを踏みこんだときに、脇を締めてしっかり握っていなければなりませんでしたが、新型では良くも悪くもそういうジャジャ馬感は消えさりました」
 

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