【サラブレッド】ジャガーEタイプ/Fタイプ 60年を経た「通有点」とは
公開 : 2021.03.29 11:55
伝説のジャガーEタイプと、最新Fタイプを並べることに成功。60年差の2台を60歳の大谷達也が見つめます。
もくじ
ー なぜEタイプは「伝説」なのか?
ー Eタイプ/Fタイプを並べてみると
ー 優しさと力強さ Fタイプ真骨頂
なぜEタイプは「伝説」なのか?
今年、還暦を迎えるわたしのために、AUTOCAR JAPAN編集部が魅惑的なプレゼントを用意してくれた。
わたしと同じ1961年生まれのジャガーEタイプを訪ねるショートトリップを企画してくれたのだ。
しかも、コンビとして仕立ててくれたのは、最新のジャガーFタイプのなかでもV8エンジンを搭載したRコンバーチブル。
子どものころからEタイプに憧れ続けてきたわたしにとっては、まさに夢の共演であり、饗宴である。当日がやってくるのを指折り数えながら待っていたことはいうまでもない。
ここでちょっとおさらいをしておこう。
1950年代のルマン24時間を戦うために誕生したレーシングカーがCタイプとDタイプだが、Eタイプはそれらの血統を受け継ぎつつも、主にロードカーとして開発されたスポーツモデルである。
いかにも空力的なスタイリングはマルコム・セイヤーの作品。これを見たエンツォ・フェラーリが思わず「世界でもっとも美しいクルマだ」と口にしたエピソードは、あまりにも有名だ。
Eタイプの美しさは、デビューからちょうど60年を経た今日でもまったく色あせていない。
長大なストレート6を前車軸後方に搭載するフロント・ミドシップ・レイアウトのため、ノーズが極端に長いプロポーションとされたが、それでもボディ全体が完ぺきな均整を保っているのは、キャビンからテールエンドにかけてのボリューム感がフロントセクションと完ぺきに釣り合っているから。
エンツォが口にしたとおり、まさに世界でもっとも美しいクルマの1台といえるだろう。