【サラブレッド】ジャガーEタイプ/Fタイプ 60年を経た「通有点」とは
公開 : 2021.03.29 11:55
Eタイプ/Fタイプを並べてみると
そのEタイプを、およそ50年振りによみがえらせたジャガーの最新スポーツカーがFタイプである。
2013年のデビュー以来、Fタイプはこれまで熟成に熟成を重ねてきたが、ことスタイリングに関していえば、Eタイプとの共通項はあまりないように思える。
なるほど、ふくよかな曲面で構成されたEタイプと強い凝縮感を秘めたFタイプの間には、類似点がほとんど見当たらない。
フロントとリアの比率、全長とホイールベースの比率も、2台はまったくといっていいくらい異なっている。
それでもわたしはEタイプとFタイプのデザインに共通の思想を見いだしてしまう。
装飾を極力廃しながら、プロポーションの美しさで人を魅了する力を備えている点は、その代表だろう。
また、フロントフェンダーより続く稜線がドアのところで一旦沈み込んでからリアフェンダーに向けてふたたび隆起するハートライン、「グラマラスなお尻」をイメージしたリアエンドのハンチラインもEタイプから継承したデザイン・モチーフとされる。
今回試乗したのは先ごろマイナーチェンジを受けたFタイプのRコンバーティブル「P575」。フラッグシップだったSVRが生産終了となった関係で「R」はパワートレインとシャシーの両面が強化されているという。
フロントに搭載したV8スーパーチャージド・エンジンは実に575psを発生。
そのパワーを4輪に振り分けるフルタイム4WDシステムを採用することで、圧倒的なパフォーマンスとスタビリティを両立したモデルだ。