3月8日は国際女性デー 地域プロデューサー井原愛子さんに、ベンテイガ・ハイブリッドで会いに行く

公開 : 2022.03.08 11:00

甘いシロップが繋ぐ、森と人々の暮らし

秩父地域では、カエデが自生する山の所有者が、樹液の採取からシロップの製造・販売までを一人で小規模に完結するのではなく、地域全体で行うシステムができていた。

井原さんは、山の持ち主(樹液の組合)、土産品を販売する組合、秩父で未来へ繋ぐ森づくりを目指しているNPOの活動を結びつけ、将来に繋いでいく役割を担っている。

建物のなかに入ると、山の持ち主やNPOとの連携、カエデについての紹介があり、単なるオシャレなカフェとも少し違うことがわかる。写真はMAPLE BASE定番のオリジナルパンケーキで、テイクアウトも可。数量限定の秩父産メープルシロップとともにいただいた。

MAPLE BASEではシュガーハウスも見学させていただいた後、秩父産のメープルシロップを使ったパンケーキをいただいた。

想像していたよりもサラッとしたメープルシロップが、焼きたてのパンケーキに独特なコクのある甘みを与え、主張しすぎない風味が口の中に広がる。

メープルを煮詰めるエバポレーター。MAPLE BASEでは本場の機械を使ってシロップを製造する。ハチミツは蜂が糖度を押し上げてくれるが、メープルは樹液を回収して人間が時間をかけて煮詰めて…という手間がかかっている。

「より多くの人に秩父のメープルを知っていただきたい」という井原さんのシロップへの想いが如何ばかりかと想像し、彼女の取組みにますます興味を抱いた。

サステナブルとジェンダーレスに触れた日

井原さんは少女の頃からオアシスやブラーを代表とするイギリスのロックを愛し、学生時代は音楽業界で働くことを目標にイギリスへ留学。音楽業界への就職は叶わなかったが、留学時代に様々な人種・文化に触れながら暮らすなかで人々のライフスタイルに係わる仕事にも目が向いていたそうだ。

それに卒業論文のテーマが世界的にカリスマ主婦として知られた「マーサ・スチュアートについて」だったというから、北欧家具や生活雑貨を扱うIKEA JAPANへの就職も頷ける。

「IKEAではサステナブルやジェンダー平等などは当然のこととしてたたき込まれました。例えば、最初の配属先で初めにやったことがフォークリフトの免許を取ることだったんです(苦笑)」

「それを使うこともあった商品出しは夜中シフトも当たり前。就職の選択を誤ったのではないか……と。ただ、得意/不得意をカバーし合う文化や、上下も男女も関係ないイコールな環境から学ぶことも多く、いつの間にかIKEAのお仕事にのめり込んでしまったんです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    飯田裕子

    Yuko Iida

    免許を取るまではクルマにまったく興味がなかった女子だったが、山に囲まれた実家の近くは折しも峠ブーム。ドライビングやスポーツカーへの興味を抱くようになる。自動車メーカーでOLをしながら弟(飯田章)とレース活動をスタート。退職後「クルマ×人(中心)×生活」をテーマとするジャーナリストに。現在の愛車はポルシェボクスター(981)
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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