3月8日は国際女性デー 地域プロデューサー井原愛子さんに、ベンテイガ・ハイブリッドで会いに行く

公開 : 2022.03.08 11:00

伝えたい、秩父の森が教えてくれたこと

井原さんは約8年間、物流、売り場のマネージメント、販売や企画などに携わり、やり甲斐も感じていたというが、いつしか居心地の良さにかえって将来への迷いが生じ始めていたそうだ。

そんな頃(2013年)、秩父でメープルシロップづくりが行われていることを知り、NPO法人「秩父百年の森」が主催するカエデの森に入るエコツアーに参加したことが転機となる。

秩父のカエデの森に入るエコツアーに参加したことが転機と語る井原さん。勉強に訪れたカナダでは、子供たちがお気に入りのメープル農家さんでシロップを買う様子や、社会科見学でシュガーハウスを訪れる光景を目にする。

「地元を離れていたことで、いままで当たり前に在った秩父の自然の豊かさに気づかされ、地元出身者でも知らない森への取組みを知ったんです。色々な方にお話を聞いてまわるうちにお手伝いしたいな、でもこれは片手間では進まないなと思い、秩父に戻ることを決めました。そしてメープルシロップを軸に地域の活性化を図れたらいいなぁ、と」

井原さんは、山の測量やメープル採取、土産組合の商品開発などの手伝いから始めた。体力勝負な仕事も商品開発も、前職の経験が活きる。

情報収集のために本場、カナダでメープルシロップの生産が第二位のオンタリオ州にも足を運んだ。そこでは秩父の生産方法があまりにも非効率であることを目の当たりにし、その一方で可能性を見いだせたのがシュガーハウスだった。

「秩父ではオジサンたちが山から樹液を担いで運ぶ貴重なもの。メープルシロップは当時も売ってはいたけれど、商品として販売するにはあまりにも効率が悪く貴重だし、価値をわかってもらうのも難しく、大々的に売っているものではなかったんです」

「しかしこんな素敵な秩父の自然の恵み(メープルシロップ)をなんとかして作れたらいいなぁと考えたときに、教育プログラムで活かすことから始めることにしました」

ベントレーの伝統であるツアラー性能と効率性を融合した「ハイブリッドモード」では、エンジンとEモーターを駆使し、449ps/71.4kg-mのパワーを解き放つ。フロントドアの「Hybrid」エンブレムがこのモデルの証だ。

「秩父にもただ商品を売るだけの場所ではなく、山や森、カエデやメープルのことを知っていただくための拠点が必要だろう。2016年4月には活動の第一歩となる活動拠点「MAPLE BASE」を開設することができました」

記事に関わった人々

  • 執筆

    飯田裕子

    Yuko Iida

    免許を取るまではクルマにまったく興味がなかった女子だったが、山に囲まれた実家の近くは折しも峠ブーム。ドライビングやスポーツカーへの興味を抱くようになる。自動車メーカーでOLをしながら弟(飯田章)とレース活動をスタート。退職後「クルマ×人(中心)×生活」をテーマとするジャーナリストに。現在の愛車はポルシェボクスター(981)
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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