乗ってわかった ブリヂストン・レグノ 静粛性×乗り心地×運動性のグレートバランス

公開 : 2022.04.04 11:55

レグノGR-XII 乗るとどう感じるか?

サイドウォールに刻まれた繊細な「REGNO」のロゴが伝えてくるのは、他とはひと味違うという質感への意気込みだ。

それを横目にみながら乗り込んで走り出すと、まず気づかされたのは初期操舵応答のリニアリティが変わっていることだ。

GR-XIIを履いた試乗車は普通に走っている時だけでなく、交差点を通過する際のような極低速域でも、中立からじわじわ舵を切り込んでいく際の旋回力の立ち上がり点がひときわ早い。

そして切り増しと連動してクルマの側が正確に、かつ柔らかく応答していることが伝わってくる。

乗員に優しい運転がしやすいクルマは旋回力の御しやすさが大前提となるが、GR-XIIはそのコントロール性をタイヤの側から一段高めてくれる、そんな効果が感じられた。

加えていえば、こういった日常的な速度域では操舵フィールにももっちりした反力とともに伝わる路面情報の精細さが高まっていることが感じ取れる。

一般道でのウォームな印象から予想する高速域・高負荷域での感触は、いい意味で覆された。

速度が高まるほどに直進性は芯を食ったように定まっていき、轍などのアンジュレーション要素に対してもタイヤ側の柔らかさで上屋が余計に揺すられるような応答はみられない。

コーナーではスポーツ系タイヤのようにいかにもケース剛性の高そうなガッチリとしたフィードバックとは一線を画しながらも、腰砕けのようなぐにゃぐにゃした感触はまったくない。

路面をしっかり掴んでいるという接地感と共に安心感をもって身を任せることができる。

ブリヂストンのレグノ3モデル 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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