「あともう少しだけ運転させて……」 ジープ・グランドチェロキーL 長距離で光る完成度

公開 : 2022.05.03 10:00

「本気」の3列目と運転の気持ち良さが同居

今回のロングドライブは1泊2日で東京〜大阪間を往復する。

楽をしたければ新幹線でも行けるルートなのだが、そこを敢えてグランドチェロキーLで行くメリットとは? そんなことを考えながら、朝陽を背に受け東名高速をひた走る。

大井松田あたりからはじまる高速ワインディングに差しかかったとき、その答えを閃いた。単純にドライビングが楽しいからだ!

スポーツカーのように軽快でメリハリのある走りができるわけではないが、操作系が適度にリニアで気持ちがいい。

ドライブを楽しむ要素は人によって様々あるけれど、そこに「3列目シート」というキーワードを加えたらどうか?

ジープ新型グランドチェロキーLの3列目シート。車両はブライトホワイトC/C(外装)とレザーシート(内装)の組み合わせ。

ここでいう3列目とは、大人が長時間ゆったりと過ごせるシートのこと。グランドチェロキーL リミテッドに比較的近い価格帯で思い浮かぶのは、国産の「小さくないミニバン」くらい? でもそこにグランドチェロキーLのようなドライビングの楽しさは見いだせないはずだ。

実用的な3列目シートと、ステアリングを握る指先をいつでもパドルシフトに掛けておきたいと思う気持ちが同居することは珍しい。

自然吸気のV6はターボのように扇動的ではないが、回す楽しみはちゃんとある。

当たりが柔らかく乗り心地は上々だが、それでもコーナーではボディの重さを感じさせないアシの設定も絶妙。

渋滞にはまったとき、高い運転席から先が見通せるのも良かった。

ジープ新型グランドチェロキーL 公式サイトでみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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